志乃「兄貴は学校のヒーローだね」
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志乃が俺に話しかけてきた。
「兄貴、この後警察署行くんだっけ」
「おう」
「何悪い事したの?」
「俺がいつ悪い事をしたんだよ」
「クラスの女子のパンツ覗いてた」
「バッ、それは女子が机の上に座ってたからチラッと見えちゃっただけで覗いたわけじゃ……ていうか何でそれを知ってる!」
絶対誰も気付いてないと思ってたのに。その女子も全く気付いてなかったぞ?
「兄貴の変態パラメーターが上昇してたから」
「そのネタ禁止!」
全く、戦闘値と変態度を一緒にしないでほしい。それと俺は変態じゃない。
「警察署の授賞式って何時頃終わるの」
「いやぁ、それは実際行かなきゃ分からない。もしかして何か用事あった?」
「大丈夫、急ぎじゃないから」
「そっか」
その言葉を機に、俺達の間に会話が無くなる。だが、別に気まずかったり重苦しかったりはしなかった。
結局、カラオケ店で志乃が怒った理由は分からずじまいだった。だが、少なからず意味のあるものなのだろう。
志乃は意味の無い事をしない人間だ。俺を罵倒するのもからかうのも、それが志乃のスキンシップの取り方なのだ、と俺は勝手に考えている。
でも、そう考える事が出来るようになったぐらいには、俺も志乃のことを分かりつつあるんだろうな。
だからこそ、俺と志乃の間に無言があっても別に気にならないんだと、心の底から思う。
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