第五章 友と明日のソラ編
最終話 別れのソラ
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ルチアの答えは、二度と揺るがないだろう。
こういう時のルチアは、何を言っても無駄なのだ。
‥‥‥つまり、俺が折れるしかないということになる。
「‥‥‥分かった。 俺と一緒に来てくれ、ルチア」
「ええ。 ずっと、永遠にね」
そう言うとルチアは、俺の左腕に抱きついた。
制服を通しても伝わる、ルチアの温もりを、俺は噛み締めながら感じた。
この幸せが、これからもずっと‥‥‥ずっと続きますようにと、願いを込めながら、俺はルチアの傍にいた。
そして気づけば、どちらからともなく、俺とルチアは唇を重ねていた――――――。
***
<PM15:00>
「え!? もう話してある!?」
武たちの約束を断り、俺とルチアは自宅に戻った。
ルチアを連れて帰宅した俺は、家で荷造りをしていた奈々の言葉に驚きの声を上げていた。
帰宅した俺は、まず最初に奈々にルチアを護河家に居候させたいと言うことをお願いしてみた。
そして奈々の返事に対して、俺は現在のリアクションをとっていた。
――――――『何言ってるのお兄ちゃん? とっくのとうに言ってあるよ?』。
彼女は堂々とそう答えた。
そう。 奈々は俺がルチアを連れて行こうと決断することをかなり前から分かっていたのだ。
計算高いのは知っていたけれど、まさかここまでとは‥‥‥と、俺は驚くばかりだった。
まぁ何はともあれ、ルチアは俺と共に護河家に行き、この町を出ていくことになった。
「お兄ちゃん。 さっきルチアさんの家に引越し業者の人に連絡を入れたから、その人に頼めば私の家に運んでくれるよ。 あと、電車の時刻表を確認しておいたけど、今からルチアさんの準備を含めて、三時間後の一八時に行くつもりなんだけど、どうかな?」
なんて用意の良い義妹なのだろう‥‥‥と、すごく関心してしまう。
ここまで計画的な義妹も珍しい気がする。
「分かった。 俺は荷造りが終わってるから、荷物を持ってルチアの家に行ってくる。 荷造りの手伝いに行ってくるよ」
「はいはーい」
右手を額に当てて、敬礼をする奈々に、俺はふっ‥‥‥と、鼻で笑ってしまう。
俺は家を出るために玄関に向かおうとすると、奈々が耳元で一言囁いた。
「お兄ちゃん。 ルチアさんの家に行くのは良いんだけど、時間がないから破廉恥なことはしないでね?」
「ッ!? だ、誰がするかぁッ!!!」
恥ずかしさと衝撃が俺を襲い、爆発するかのように大きな声で怒鳴ってしまった。
奈々は面白そうに笑いながら和室へ走って逃げていった。
「‥‥‥ま、全く
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