第五章 友と明日のソラ編
最終話 別れのソラ
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だから俺は、最後に‥‥‥みんなに言った。
「俺、この町に来てほんとに良かった。 仲間を作れてよかった! 仲間と色々な毎日を過ごせてよかった! 俺にとって皆は、大切な宝だ! 本当に‥‥‥ほんとに、――――――ありがとう!」
涙を堪えきれず、俺は大粒の涙を流した。
きっとその顔は、酷くグシャグシャになっているだろう。
それでも構わない。
今は、この思いが伝わってくれれば、それでいい。
きっと伝わっただろう。
だから俺は、もう心残りなんてない。
心おきなく、この町を出ていける。
「翔、行こう」
「‥‥‥ああ」
ルチアの声に返事をすると、線路の先から赤一色に染まる電車が来た。
俺たちの目の前に着き、俺はアタッシュケースを持って、皆に言った。
「それじゃ皆、またな」
皆は笑顔で、力強く頷いた。
涙を流し、鼻をかみながらも、皆は笑顔で頷いてくれた。
ルチアと奈々が先に電車に乗りこみ、俺は少し遅れて乗り込んだ。
電車のドアが締まり、ゆっくりと速度を上げて、走り出した。
「皆ッ!! またなッ!!!」
窓を開け、上半身を出した俺は、右腕を全力で振った。
みんなも振り返してくれた。
どこかの青春漫画みたいで気恥ずかしいけど、手を振りたくて仕方なかった。
その姿を、ルチアと奈々は優しく微笑みながら見ていた。
これが俺、相良翔のたった半年の短くて長い日常だった――――――。
この世界には、明るい時に人が平穏な日常を過ごしている。
けれど、寝静まる夜は魔法使いと呼ばれる存在が命を賭けて戦いを繰り広げていた。
知る人はそれを、都市伝説のように噂として広める。
この物語は、そんな噂が毎日のように広がる町で始まる、恋と友情と魔法の物語。
――――――俺たちのあのソラは、いつだって青く澄み渡っていた――――――。
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