第五章 友と明日のソラ編
第四話 終わる夜、始まる朝
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にだって限界があり、無理をすれば身体が持たないという事に繋がる。
「てめぇらに、何が分かるんだ?」
全身を無理矢理、魔力で強化して起き上がらせながら冷羅魏は言う。
「生まれてすぐに親に捨てられ、生きる意味も分からない中で周囲に生きろと言われ、そして何かをしなければいけないと突き動かされてしまう気持ちは、お前らのような裕福な奴らには分からない!!」
「‥‥‥」
はっきりと言われた俺は、無言で、そして無表情で冷羅魏に言った。
「俺だって、人生の何もかもが幸せだったわけじゃない。 むしろ不幸だったらからここにいるんだ。 孤児院で育って、義理の家族が出来て、義理の家族を、義妹を傷つけたからここにいるんだ」
「‥‥‥」
「不幸だからって、被害者だからって、誰かを裁く権利を得るなんてことはない。 お前が本当にするべきだったのは、お前と同じ境遇の人を、救ってあげることだったんだ」
俺はそう言い切ると、魔力が刀身を纏い、ルチアの詠唱が終わった刀を両手でしっかりと握り締め頭上に振り上げ、上段の構えになる。
「お前は間違えた。 だからここにいて、俺と戦っている。 ただ、――――――それだけのことだ」
息が届く程の距離についた俺は、刀を振り下ろした。
白銀の光の尾を引き、その一閃は闇を纏いながら迫る。
大罪を切り裂く一閃――――――『強欲斬る堕天使の一閃』。
「ふざ‥‥‥っけるな!!」
「ッ!?」
その瞬間、冷羅魏は全身に鞭を打って魔法を発動させた。
上段で刀を振り下ろす俺。
斜め上から鎌を振り上げる冷羅魏。
その間で、俺と冷羅魏の間で激しい火花が散った。
互いの刃はぶつかり合い、拮抗する。
それが、冷羅魏の抵抗なのだ。
「ふざけるな! 俺は認めない! 俺が負けるなんて認めない!!」
「いや! お前は俺たちには勝てない! 絶対にだ!!」
「ぐぅぅぅッ!!」
均衡はすぐに崩れた。
俺の刃が押して、冷羅魏は力尽きて切り裂かれる。
「ぐあっ!?」
「まだだッ!!」
肩から切り裂いて、刃が地面擦れ擦れにある中、俺はさらに追撃する。
刃の向きを逆にして、下段の構えからさらに魔法を発動し、刃を振り上げる。
光の尾を引き、闇の一閃が天に昇るかの様に放たれる。
大罪を切り裂く一閃――――――『|暴食斬る堕天使の一閃(グーラ・ルチーフェロ)』。
ソラまで昇る白銀と漆黒の魔力。
そして飛沫をあげる冷羅魏の鮮血。
「ぐはぁッ!!」
右腕/左腕の付け根を切り裂いた。
だからもう、彼は武器
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