第五章 友と明日のソラ編
第四話 終わる夜、始まる朝
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決して交わることのない二つが今一つとなり、眼前の敵を貫く槍であり、刀になる。
これは、大罪を貫く一閃――――――『怠惰突く堕天使の一閃』。
前方に向けて剣先を突き出して放つと、刃が伸びて距離を伸ばし、冷羅魏の持つ鎌の刃に直撃する。
「ぐぅっ!!」
手から武器が飛ばされてしまわないように、冷羅魏は必死に握り締める。
抵抗するために、冷羅魏は精一杯の力を振り絞って鎌を地面に叩きつける。
すると俺の突きはいなされ、軌道が逸れて冷羅魏を通り過ぎる。
俺は背後から攻められないように、素早く魔法を解除して振り返る。
そして刀をしっかりと握り直し、再び八双の構えになる。
「はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥っ」
体力、魔力共にかなり消費した冷羅魏は、どうやら限界が来ているらしい。
肩まで息が上がり、脚が震えているところは、もはや立っているのが限界なのだろう。
気は抜けないけれど、最初の時よりも俺には心に余裕が出来ていた。
勝てる自信、負けない余裕、それが俺とルチアにあった。
油断なんてしていない。
けれど、俺は絶対に勝つという自信があった。
俺の大切な人が、誰よりも近くにいてくれるから、恐ることがない。
だから俺は、魔力を刀身に込めながら言った。
「決着をつけよう。 白銀の堕天使と、凍結の悪魔のな‥‥‥。 ルチア、行くぞ」
《ええ。 いつでも》
「くっ‥‥‥」
白銀・漆黒の魔力の輝きが増していくと、漆黒の鎌を携えた冷羅魏は頬に動揺の色が現れた。
そして俺が一歩進むと、一歩後退る。
「逃げるんじゃないぞ? 俺とルチアが今まで戦ってきた人は、誰一人逃げたりはしてない。 俺の知る中では、お前は誰よりも強い。 だけど今のお前は、誰よりも弱いぞ?」
「んだ‥‥‥とッ!!?」
その瞬間、冷羅魏の表情は一層大きく歪んだ。
「俺は負けてねぇ! 俺は弱くねぇ! 俺は強い、最強だ! まだまだ俺は本気じゃねぇ!!」
「強がりはその辺にしておけ。 今なら降参したって構わないんだぞ?」
「くっそ‥‥‥舐めやがってぇ!!」
冷羅魏は鎌を俺に突きつけ、更に叫ぼうとするが、全身が悲鳴を上げている冷羅魏は遂にガクッ!と音を立てながら膝をついた。
「無理して動かない方が良いと思うけど?」
立ち上がろうとする冷羅魏に、俺はそう声をかける。
「いくら魔力で強化された体であろうとも、無理をすれば筋肉が壊れるぞ?」
今でさえ、ルチアの持つ膨大にして強大な魔力を使っているんだ。
そんな状態で、身体能力、魔力量を増大させている。
人間の体
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