第五章 友と明日のソラ編
第三話 光と闇の交錯 後編
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う答えると、冷羅魏は頬と眉を大きく歪め、苛立った声で罵倒するかのに言った。
「ふざけるなッ!! そんな簡単に‥‥‥俺の魔法が‥‥‥ッ!?」
俺は、訝しい顔をする冷羅魏を無視し、脳内で流れる一連の詠唱を口にした。
「『我、魔法使いの名のもとに、汝、精霊との契約を望む。 受け入れしは、魔の全てを共有せし、否定せしは魔の全てを拒絶する。 我、魔法使いは汝、精霊の返答を求む』‥‥‥ルチア、俺と一緒に戦ってくれるな?」
これは、『精霊系魔法使い』になるための、契約詠唱。
受け入れれば、俺とルチアは精霊系魔法使いになる。
その答えを、ルチアに聞いた。
彼女は、なんの迷いもなく、優しく微笑んで真っ直ぐな瞳で答える。
「ええ。 我、精霊の名のもと、汝、魔法使いとの契約を受け入れます。 私の全ては、あなたのものです、翔」
「ありがとう、ルチア」
俺は両腕を使って、ルチアを抱き寄せる。
そしてそのまま、ルチアの桜色の唇に、俺の唇を重ねた。
一瞬だけ驚いて身を固めるルチアだが、すぐに受け入れて、俺の体に腕を回して、抱きしめ返した。
すると、――――――俺とルチアの持つ、白銀の魔力と漆黒の魔力は二重螺旋を作り出して、俺とルチアを覆う。
そして俺とルチアはそのまま二つの魔力に包まれ、一つの魔力に収束する。
収束した魔力はしばらくすると、小さく爆発して、中から一人の影を作り出した。
光と闇に包まれた、黒いラインが入った白の服とズボン、そして黒い柄に、白銀の刀身を持った刀を持つ少年の姿がそこにあった。
「まさか‥‥‥精霊契約をしたのか!? ほとんど魔力を持たない魔法使いと精霊が契約をすれば、どうなるかわかってるのか!?」
未だに驚愕を隠せない冷羅魏は、精霊系魔法使いの代償を言った。
そう。 俺とルチアの魔力はほとんど残っていない。
そんな状態で契約をすれば、身体にかかる負荷は計り知れない。
下手をすれば、死を迎えるかもしれない。
「これは、俺たちの意思だ。 俺たちが望んだことで、それを実行しただけだ」
俺は右手人差し指で冷羅魏を指差して、目を見開きながら言った。
「そして、お前を、冷羅魏氷華をここで倒すッ!」
光と闇を得た魔法使いと、氷と闇を得た魔法使いの戦いは、いよいよ結末に向かう――――――。
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