第五章 友と明日のソラ編
第三話 光と闇の交錯 後編
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―――『‥‥‥良いの? こんな、偽りの存在でも?』
「ああ、良いよ」
――――――『精霊でも? 裏切り者でも?』
「もちろん」
――――――『私、めんどくさいわよ? 迷惑ばかりかけるわよ?』
「知ってるよ」
――――――『‥‥‥やっぱり、あなた、大馬鹿ね』
「‥‥‥そうだな。 でも、ルチアを好きでいられるのなら、俺はずっと、大馬鹿でいい。 俺はルチアを、愛してる」
――――――『‥‥‥ほんと、大馬鹿ね。 だけど、ええ、そうね。 私は‥‥‥そんなあなたが、相良翔が、――――――嫌いじゃないわ』
「‥‥‥だったらルチア。 俺と一緒に、戦ってくれないか? 一緒に戦って、今度こそ、嘘のない真実の日常を始めないか?」
――――――『‥‥‥そうね。 こんな私でも、私を愛してくれる人がいるのなら、そんな日常も悪くないわね。 ええ、お付き合いしましょう。 どこまでも、あなたと――――――翔と一緒にッ!!』
その声は、その言葉は、遠ざかっていく俺の意識を一瞬で覚醒させた。
消えていた五感も一気に回復し、魔力も体力も全てを取り戻し、俺は目を大きく見開いた。
「ぉぉおおおおおおおおおッ!!!!!」
喉の奥から、溢れ出る咆哮。
溢れ出る想い。
「はぁぁああああああああッ!!!!!」
歯を食いしばり、永遠の地獄に抗うように叫びながら、全身へ魔力を行き渡らせる。
体を動かそうとすると、強力な魔力によって作られた氷が重く、固く、俺の動きを封じようとする。
こんな、たかが氷なんかに屈するわけにはいかない。
こんな、想いの欠片もない物体に、俺とルチアの恋路を邪魔させたりはさせない!
「はぁッ!!!」
覇気のある声と共に、俺は全身に行き渡った魔力を一気に放出し、俺を封じる氷を粉々に粉砕させる。
立ち上がった俺の足元には、砂のように砕け散った氷が散らばる。
そして俺の両腕には、お姫様抱っこされたルチア=ダルクがいた。
彼女は細める程度に目を開け、こちらを見つめていた。
俺は彼女に向かってそっと微笑み、小さな声で言った。
「やっと、お前に届いた気がする」
そう言うと、ルチアもそっと微笑み返して言った。
「そうね。 遠くて、長い道のりだったけれど、 ようやく届いた」
「ああ」
俺とルチアが見つめ合っていると、奥の手を破られた冷羅魏が驚愕の表情でこちらに言った。
「お、お前ら‥‥‥どうやって、永久の地獄を‥‥‥!?」
「俺たちなら、それくらいのことは造作もない」
「そういうことよ」
俺とルチアでそ
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