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魔法使いの知らないソラ
第五章 友と明日のソラ編
第三話 光と闇の交錯 後編
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俺は仰向けで倒れるルチアの傍に辿りつくと、首と腰に手を回し、そっと抱き寄せる。

白く、きめの細かい肌がすぐ目の前にあった。

全身は氷のように冷たく、まるで死者のようだ。

だけど、心臓の鼓動が聞こえる‥‥‥生きている。


「よかった‥‥‥ルチア‥‥‥」


俺は安堵の息を漏らすと、白銀の魔力を体内から大量に放出させる。

白銀の魔力は強く輝き、俺とルチアを優しく包み込む。

そして、それと同時に冷羅魏の魔法が放たれた。


「二人揃って、仲良く氷漬けになれ、――――――永遠にな」


鎌を大きく振るうと、鎌に溜まった魔力が一気に放出され、尾を引きながら巨大な一閃が放たれる。

通った場所を、瞬間凍結させる光景は、まるで迫る氷河期のようだ。

死を与えず、死より苦しい地獄を与えし永久の氷河――――――『|全て裁く永久の地獄(コキュートス)

俺たちはあの氷に包まれ、死ではない永遠の地獄を味わされるのだろう。

――――――そして、その一撃は俺の背を直撃し、巨大な爆発を巻き起こした。

俺とルチアは、水晶によく似た、ダークブルー色に光る氷の中に、封じ込められたのだった――――――。


                   ***


――――――正直、悔しくないと言うと、嘘になる。

本当は、すごく悔しくて、怒りを覚えてしまう。

それは、たった一人しか守れなかったこと、冷羅魏を倒せなかったことだ。

ルチアを守れたと言っても、それは死を回避させただけであって、氷漬けにされてしまったのは事実だ。

結局俺は、何もできなかった。

そう思うと、俺の胸からは、熱く込み上げてくるものがある。

本当はもっと抗いたい。

指先一本でも動かしたい‥‥‥戦って、勝ちたかった。

だけど、俺には力が足りなかった。

氷漬けにされて、体は一ミリも動かない。

今の俺は、本当に無力だ。

こんなところで、俺の旅は、終わってしまうのだろうか?

あのソラに届かず、俺の全ては終わるのだろうか?


――――――イヤだ‥‥‥イヤだッ!!

――――――まだ‥‥‥まだ、終わりたくないッ!!

――――――こんなところで、俺の旅を終わらせたくない!!

――――――頼む‥‥‥こんな、無力な俺に、ほんの少しでいいから‥‥‥抗う力を、守る力を!

――――――力をくれるなら、鬼でも悪魔でもいい。 どんな代償でも支払って、ルチア達を守ってみせるから。


目の前には、俺に巻き込まれて氷漬けになっているルチアがいる。

彼女の姿を身ながら、俺の思考は真っ白に染まる。

怒り、後悔、絶望が俺を支配していく。

魔法使
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