第五章 友と明日のソラ編
第三話 光と闇の交錯 後編
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今まで、本気で戦ったことのない俺にとって、この魔法を使うのはこの時が初めてだった。
だけど、出し惜しみは無しだ!
「冷羅魏氷華っ! お前との戦いは、まだまだここからだ!」
「そうこなくちゃなッ! 行くぜ!」
「このぉっ!!」
俺と冷羅魏は、同時に駆け出した。
刀と鎌が夜天の下で交じり合い、激しい火花を散らす。
火花は一瞬で俺と冷羅魏を照らし、互いの表情をはっきりと見せる。
俺の瞳に映ったのは、大きく歪んだ唇に、ニヤニヤとした笑を浮かべる冷羅魏の姿だった。
この戦いを、まるで楽しんでいるかのような笑に、俺は怒りを覚えていた。
あいつの持つ鎌は、間違いなくルチアの使う鎌だ。
それを使い、傷つけることを楽しむあいつが許せない。
俺は、白銀に輝く魔力を刀身に纏わせ、冷羅魏を狙って振るう。
冷羅魏はそれをひらりとかわし、バックステップを取りながら詠唱を始めた。
「生み出すは氷、放つは槍! 全てを貫く無限の氷槍ッ!」
「ッ!?」
冷羅魏の右掌は、魔力によって巨大な氷を創り出す。
そして氷は魔力によってさらに形状を変化させ、鋭い槍へと変える。
掌で完成した氷の槍は、渦を巻くように魔力を纏い、さらに鋭くなっていく。
筋力を魔力で強化させた冷羅魏は、槍投げの要領で俺に向けてそれを放った。
放たれた槍は轟音を立てて、大気を揺るがしながらロケットの如く、俺に迫った。
狙う者の全てを貫き、凍てつかせる最強の氷槍――――――『凍て射抜く破滅の冬』。
今までの中で、恐らく冷羅魏のもつ最強の魔法だろう。
その上、あの規模の魔法であれば、俺だけじゃない‥‥‥静香さん、奈々、そしてルチアまで巻き込むことができるだろう。
そう思った俺は、迎え撃つために魔法を発動させる。
想い集う白銀の星』を発動させたことで、俺の持つ魔法は上位魔法へと進化している。
これによって俺は、先ほどまで強かった冷羅魏と同等に渡り合えている。
今なら、冷羅魏の魔法を防ぎ、みんなを守るっ!
「星に集え、全てを切り裂く光ッ!」
白銀の魔力が、刀身を纏ってソラまで伸びる。
夜を照らし、白銀の光が俺を包む。
全てを貫く槍に対抗するのは、全てを切り裂く刀。
「はぁああああああッ!!!」
轟くような雄叫びをあげると、それに合わせるように魔力は輝きとその質を上昇させる。
ソラまで伸びた刀の柄を両手で握り、俺は上段の構えから一気に振り下ろす。
振り下ろされた刃は、全てを貫く氷の槍と正面からぶつかり合う。
全てを持って全てを切
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