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魔法使いの知らないソラ
第五章 友と明日のソラ編
第一話 築き上げたもの
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つめて言った。


「静香さん。 今から二手に分かれて、ルチアを探します。 お願いできますか?」

「もちろん。 翔さんのお願いであれば、喜んでお引き受けします」


ニコリと笑顔で返す静香に、翔はホッと胸をなでおろすと、再び漆黒のソラを眺めながら思う。

今ならまだ、間に合うかもしれない。

今ならまだ、取り戻せるかもしれない。

‥‥‥違う。


「必ず、取り戻すんだっ!」


そう言って翔は拳を強く握り締めると、両脚に魔力を込める。

魔力は脚力を飛躍的に上昇させ、翔の移動速度や跳躍力を高める。


「翔さん。 またあとでお会いしましょう」

「はい!」


そう言って翔と静香は二手に分かれ、夜の灯火町を駆け巡る。

どこにいるかは分からない。

けれど、きっと見つかる。

今日、必ず取り戻す。

この町で、相良翔の物語をの始まりのきっかけをくれた、大切な人を、必ず‥‥‥取り戻す。

翔は空気を軋ませながら、高速で駆ける。

――――――その時、右ポケットにしまいこんでいたスマートフォンがバイブレーションを起こす。

即座に右手で取り出し、画面をタッチした。

すると、そこには『メールが返信されました』と言う内容が書かれ、全員から返答がきた。


「ぁ‥‥‥。 皆、――――――ありがとう」


翔はその内容を見て、感極まって涙を流した。

そして翔は今の状況と、ルチアを探して欲しいと言うことを書いて、再び皆に一斉送信した。


「‥‥‥待ってろ、ルチア」


翔は再び走り出した。

迷うことなく、我武者羅に走り続けた。

皆の返答を思い返しながら‥‥‥。



――――――『もちろん構わないぞ! お前は、俺の親友だからな!』


――――――『うん、良いよ。 翔は私の親友だから』



                ***


 夜空で輝く、無数の星々。

周囲には何もなく、――――――三人はそこで広い規模の魔法円を描いていた。

魔法円は巨大な円の中に、魔法文字(ルーン)を刻み、その内側にさらに円を描き、その円の中に六芒星を作って完成する。

その魔法円の中心に、黒い髪の少女は立っていた。

一枚の黒い羽衣が彼女の全身をウェディングドレスのように包み込み、キメの細かい肌が月明かりに照らされて神秘的な姿を見せる。

彼女、――――――ルチア=ダルクは、この魔法円の中である儀式を執り行おうとしていた。


「さぁ、始めようか」


彼、――――――冷羅魏氷華がそう言うと、全員が頷き、ルチア以外の全員は魔法円の外に出る。

そしてルチアは目を閉じて、魔力を全身に行き
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