第四章 雨の想い編
第三話 無情の真実・無情の別れ
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ざまぁねえな!!」
殴り飛ばされた翔は低空を飛ばされる。
更に追い打ちをかけるために冷羅魏は両足に魔力を込める。
すると足元が薄い氷に変化して、周囲に広がる。
まるでフィギュアスケートのフィールドのようになった氷の地面を冷羅魏は駆け出す。
氷によって足は滑り、速度は上昇してすぐに翔の真横にたどり着く。
「おらよッ!」
冷羅魏の拳は魔力で構成された氷に覆われ、氷の拳が翔の腹部に放たれる。
そしてそのまま地面に叩きつけられ、口から大量の血をはき出す。
「がはッ!」
「無様だな。 さっきまでの威勢はどこに行ったんだよ!」
そう言って冷羅魏は右足で翔を蹴り飛ばした。
鉄柵に叩きつけられた翔はそのまま力なくその場にうつぶせで倒れる。
「ぅっ‥‥‥ぁ‥‥‥っく」
激痛のあまり、身体を動かせなかった。
恐らく骨が何本も折れているというのも理由だろう。
だが、翔は諦めなかった。
身体に鞭を打って、強引に立ち上がろうとする。
「そうこなくっちゃな!!」
「っ!?」
冷羅魏は凍った地面をスケートのように滑り、翔に迫る。
避けることができない翔は、避ける考えを捨てて迎え撃つことにした。
下段の構えから刀身の魔力を込める。
炎を纏わせ、一撃で断ち切るためである。
「炎より求めよ、断罪の焔ッ!」
刀身を纏う炎はその熱量を増していく。
大量に白い煙を発生させ、周囲の熱に弱いものがドロドロと溶けていく。
その一撃をもって、翔は冷羅魏を迎え撃つ――――――はずだった。
「夜天より舞い降り、我らが敵の尽くを打ち払わん」
その声と共に、黒く収束した闇が真っ直ぐ翔に向けて、レーザーのように放つ。
収束し、放たれる闇――――――『|夜天撃つ漆黒の魔弾(ヴォーパル・インスティンクション)』
「何ッ!? ぐっ!?」
翔は反射的に刀身に溜めた魔力による一撃を冷羅魏にではなく、先に迫ってきた漆黒のレーザーを迎え撃つに放った。
灼熱で悪を断罪する――――――『神罰切り裂く断罪の刃』。
闇と炎がぶつかり合い、強大な衝撃波を起こす。
翔はボロボロの身体をなんとか踏ん張らせてそれに耐える。
「ぐっ‥‥‥どうして、ルチア‥‥‥ルチア!!」
この一撃は、ルチアによるものだ。
ルチアは再び、冷羅魏の味方をしたのだ。
そしてそのせいで翔は身動きがとれなくなり、冷羅魏が翔の懐に飛び込む。
右手は魔力によって氷の拳になり、蒼い魔力が漏れている。
強力な拳が、翔に迫る。
「終わり
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