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魔法使いの知らないソラ
第四章 雨の想い編
第三話 無情の真実・無情の別れ
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もかかわらず、冷羅魏は不気味なまでの笑を崩さずにこちらを見つめる。

そして冷羅魏がなぜそこまで余裕でいるのか、その理由が次に起こる現象で明らかになった。


「――――――漆黒の闇よ、我に迫る全てを防ぎ飲み込め」


翔の一閃はディスク状に変化した闇の魔力で出来た盾によって防がれる。

それは冷羅魏を守るためのものだった。

そしてそれを作り出すことができるのは、一人しかいない。


「なんで‥‥‥なんでなんだ、ルチア!?」

「‥‥‥」


ルチアは無言、無表情でこちらを見ると、翔に向けて回し蹴りを放つ。

あまりの衝撃に回避が遅れた翔は脇腹を蹴られ、20m程蹴り飛ばされる。

そして倒れる翔を見て、冷羅魏は高笑いをする。


「ハッハッハ!! 実に滑稽!! 最高だよ!!」

「冷羅魏‥‥‥お前、ルチアに何をした!!」


ルチアがなんの理由もなく、こちらを攻撃してくるわけがない。

冷羅魏の味方なんてするはずがない。

だとすれば、洗脳などをされたにきまっている。

翔はそう思い、冷羅魏に原因を問う。


「俺は何もしてない。 ただ事実を教えて、彼女が自分で選んだんだ」

「嘘をつくな! ルチアが、お前なんかの味方をするわけないだろ!?」

「いいや、ルチアはこっち側の存在だ。 お前らとは訳が違うんだよ」


翔には、その言葉の意味が全く理解できなかった。

なぜルチアが冷羅魏たちの味方なのか、そしてルチアが知った事実とはなんだ?

その事実が、ルチアを変えてしまったとでも言うのだろうか?


「まぁそんなわけで、お前はルチアを諦めろ。 こいつは俺たちのものだ」

「させるかよッ!!」


翔は全身を雷の魔力で纏わせ、雷と同じ速度で大地を駆け抜ける。

閃光のように駆け抜ける高速移動の魔法――――――『|金星駆ける閃光の軌跡(ブリッツ・ムーブ)』

更に刀身は白銀の光に包まれ、強力な一撃へと変化する。

光り輝く裁きの一閃――――――『|天星光りし明星の一閃(レディアント・シュトラール)』

ルチアを解放させるため、翔は冷羅魏を殺さんとばかりに刃を振るった。


「させない」

「な――――――ッ!?」


だが、冷羅魏を庇うために身代わりとなってルチアが両手を左右に広げて自分を盾にした。

翔は瞬時に魔法を解除して擦れ擦れのところで刃を止めた。

あと少し遅ければその刃はルチアの首を切り落としていた。

そしてその行動は、翔の動きを停止させてしまう。

その隙を逃さない冷羅魏ではない。

冷羅魏は右拳を魔力で強化させ、重い拳を翔の腹部にぶつける。


「ぐあっ!?」


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