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魔法使いの知らないソラ
第四章 雨の想い編
第二話 桜女帝の意地
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と、畳の上に座布団を敷いて正座で座る我らが生徒会長、井上 静香がこちらを向いて笑顔で迎えてくれた。


「待ってましたよ。 やはり、翔さんが来ましたから」

「はい。 微力ながら手伝いに来ました」


そう言って翔と春人は入口のそばに置いてあった座布団を一枚もって静香と同じように正座になる。

どうやら手伝いとは書類整理のようだ。

これも生徒会の仕事だが、卒業シーズンが近づくと卒業祝いやらなんやらで問題が多いため、生徒会の仕事が増えるらしい。

そんなわけで翔と春人はペンと印鑑を用意してもらい、静香の指示に従いながら書類整理を行っていく。


「翔さん。 そこは計算が合いませんよ?」

「え‥‥‥あ、ほんとだ。 すぐに直します」

「はい。 では直しついでにこちらのミスの修正もお願いしますね」

「あ‥‥‥は、はい」


初めての書類整理は、会計作業が主となっていた。

決して計算が苦手というわけではないにも関わらず、些細なミスが多くあり、静香に指摘され続けていた。

四苦八苦しながらも春人や静香は丁寧かつハイペースで書き進めていた。


「春人がこういうの得意なのは知らなかったな‥‥‥」

「おいおい、武といるからって俺がバカみたいな理解はやめてくれないか?」

「悪い悪い、武がいるからついな」


翔はクスクスと笑いながらそう言うと不満そうに頬をぷくっと膨らませる。

その光景に静香はお淑やかに微笑むと、書類を全て書き終えてほっと一息ついた。


「さて、そちらも手伝いますよ」

「それじゃお願い」


春人はそう言って、まだ手をつけていない書類の半分を渡す。

それに便乗して翔もそっと書類の半分を手渡そうとする。


「翔さんはもう少し頑張りましょうね」

「‥‥‥はい」

「ぷっ!」

「わ、笑うなよ‥‥‥」


見事に断られた翔はガクッと本気で落ち込み、それを見た二人はつい堪えきれずに笑ってしまう。

笑われてしまったことで更に落ち込むと、二人は笑いながら肩をポンポンと叩いた。

‥‥‥結局、落ち込む一人と笑う二人は順調に作業を続け、お昼休み終了までには全ての書類整理を終わらせることができた。


「お二人とも、ありがとうございました」

「構わないさ。 どうせ今日は暇だったんだしな」

「ああ。 ほんとに暇だったので」


春人の言葉は事実だった。

いつものメンバーと呼べる、武と紗智、そしてルチアがいない今日はあまりにも退屈だった。

騒がしいと言ってもいいくらいに賑やかだった日々がいきなり静かになると逆に物足りなくなり、寂しさを感じてしまう。

何かしたくて、もどかしい気持ち
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