第三章 兄弟の真実編
第五話 兄妹・真実のソラ
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しをしようとする。
それに対して奈々は、未だに震えを抑えきれない様子だったが、遂に決心したようで目を見開くと翔に全てを話した。
「私が魔法使いになったのは、お兄ちゃんがいなくなって一週間経たないくらい。 きっかけは多分、夢でお兄ちゃんが魔法使いになって戦っているのを視た事なんだと思う」
「俺が‥‥‥魔法使いになった夢」
それはつまり、転校初日に魔法使いとして覚醒した相良翔を夢で視たということ。
それはただの夢ではなく、正夢と言うのは何よりも驚くべきことだった。
「私も、もしかしたらできるんじゃないかって思って‥‥‥そしたら本当に使えたの。 それが私の魔法――――――『天駆ける天魔の靴』」
白と黒――――――天使と悪魔の両方の力を備えた魔法が、護河奈々の能力だった。
更に相良翔と同じ、極めて稀な魔法使い、『純系魔法使い』としての覚醒だった。
そしてここからは、魔法使いとして目覚めた奈々の物語だった。
「私はそのあと、魔法使いとしてあの場所をずっと守るために戦ってきたの。 お兄ちゃんが帰ってくる場所だから、私が守ろうって思って」
「なるほど。通りで奈々が強いわけだ」
相良翔は、ルチアから魔法に関して聞いたことがある。
魔法使いの力量は経験値と言うのも当然だが、他にも様々な要因があるとされている。
その中で能力上昇の一番の要因が――――――『魔法使いの意思』とされている。
意思の強さが魔法使いの質を上げる一番の要因とされていると説明されたことがあった。
そして護河奈々の強さもまた、その強い意思によるものが多かったのだろう。
「‥‥‥それじゃ、奈々がこの町に来た理由は?」
「‥‥‥ごめんなさい」
奈々は全てを話す前に、一度深々と頭を下げた。
その理由は当然、嘘をついたことだった。
この町に来た理由として奈々は相良翔を迎えに来るためと答えた。
だが、それにしてはアタッシュケースの大きさや着替えの量が多さはまるで引越しでもするかのようだった。
その不信感は最初からあったが、特に詮索することはなかった。
護河奈々が魔法使いであれば、その理由を予想するには苦労しない。
「お兄ちゃんがいるこの町で、危険な魔法使いが現れたって情報が私にも来たの。 だから私、お父さんとお母さんに、お兄ちゃんのところに行くっていう表面上の理由でこの町に来たの」
「‥‥‥だから冷羅魏達のことを知ってたのか」
「うん。 ごめんなさい、お兄ちゃんの迎えに行くってことも本心だった。 冷羅魏達を倒すか、お兄ちゃんを守って、あわよくばお兄ちゃんが私達のところに帰ってくればって思ったの」
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