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魔法使いの知らないソラ
第三章 兄弟の真実編
第四話 兄妹・護り、護られる存在
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せる。

狙った全てを飲み込み、貫く地獄の氷槍――――――『|全て貫く破壊の氷槍(アイス・ツァプフェン)』

弾丸にも近い速度で迫る氷の槍に、翔と朝我は刀を使って対応する。


「「せいッ!!」」


気合一閃、翔の持つ白銀の刀――――――『|天叢雲(あまのむらくも)』と、朝我の持つ紅く熱を帯びた刀――――――『|火車切広光(かしゃぎりひろみつ)』は一筋の剣線を描いて迫る氷の槍を全て切り裂く。

二人にとっては弾丸以下の速度なんて止まっているようにも見えてしまう程遅いものだった。

翔と朝我は勢いのままに宙を飛び、冷羅魏の方を向き直す。

冷羅魏は、体中を漂う魔力の密度をあげていた。

ここからが戦いのはじまりなのだろう。


「行くぜ!」


そう言って朝我は刀を突き出すように構え、冷羅魏に突撃する。

胸を狙ったその一撃を冷羅魏は体を捻ってかわした。

続いて翔が隙のある冷羅魏の背後を襲いかかる。

しかし冷羅魏は魔力で身体能力を上昇させると足腰に集中させ、刃が切り裂く直前にしゃがんでかわす。

そして両手を地面につけ、翔の側頭部に蹴りを入れる。

翔を蹴り飛ばした勢いをそのままにし、両手を軸に回転させて朝我の背中を左足のかかとで蹴り飛ばす。

その動きはさながら、カポエイラのようだった。


「ぐっ!」


翔はすぐさま立ち上がり、朝我の隣に行って再び刀を構える。

すると二人の全身を淡い緑色の光‥‥‥魔力が優しく包み込む。

優しい魔力は二人の体を癒し、痛みと体力の減りをなくした。


「ヴァン、助かった!」


発動したのは、ヴァン=皇海。

そして発動した能力は、対象の魔力・体力・傷を癒す能力を持った治癒系魔法。

優しく包み込み、全てを癒す救いの風――――――『|そよ風包む安息の羽(ベハンデルン・ゼファー)』


「お二人とも、|補助(サポート)は任せてください!」


後輩の力強い言葉に、二人は再び戦う意思を強くする。

そして朝我は空いた左手を開くと、空間が歪んで一本の刀が現れる。

蒼い柄と同色の刀身、そして刀身を覆うように激しい音を立てる稲妻。

稲妻の光が刀身に写り、青い閃光を放つ。

かつて雷を斬ったと言われる刀――――――『雷切』。


「まさか‥‥‥二刀流」


翔は朝我が二刀流と知った瞬間、歴史上にいた宮本武蔵を思い出した。

彼はかつて二刀流を使っていたとされ、それから現代まで二刀流は様々な変化を経て存在する。

だが二刀流は様々な問題が指摘され、現代は大学剣道などでしか使われていない。

更に扱いの難しさが懸念されており、実際に二刀流で戦う者は僅かとなっている。
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