第三章 兄弟の真実編
第四話 兄妹・護り、護られる存在
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炎より求めよ、破壊の光!!」
右拳が紅く光と、超高熱を帯びる。
すると魔力は徐々に揺らめきだし、その魔力は紅き炎へと変化した。
翔は勢いよく振り上げると、そのまま力強く湿り気を帯びた地面を殴りつける。
圧倒的な攻撃力と破壊力を秘めた、炎の拳。
触れたものの全てを燃やし尽くし、破壊する一撃――――――『|火星討つ破壊の炎光(デフェール・ストライク)』
「出てこい――――――冷羅魏!!」
地面は翔を中心に紅く燃え上がり、地面の水分を全て蒸発させた。
すると水蒸気は翔たちの前で一つに集まり、徐々に人の形を作り出す。
そしてその姿は、三人が狙っている相手となった。
緑色の髪の鋭い瞳の男性――――――冷羅魏 氷華。
「へぇ〜。 俺に気づいた奴はお前さんが初めてだぜ?」
不敵な笑を浮かべながら翔に言うと、翔は冷羅魏から離れる。
そして未だに状況を完全に理解していない朝我たちに翔は何に気づいたのかを説明するように言った。
「ここに来た時から、気配に近くて違う‥‥‥殺気を感じていた。 だけど殺気が周囲に散乱していて、確実な位置が特定できなかったんだ」
翔は何度も周囲をクルクルと見渡していた理由はここにあった。
朝我とヴァンは、冷羅魏の気配だけを探していた。
だが翔はそれだけではなく、殺気までもを感じ取っていた。
相手を狙うと言う時点で必ず殺気と言うものは生まれるため、殺気を見つけることができれば捜索はあまりにも簡単になる。
だが。冷羅魏はこの場所の周辺に液体としての姿と化して隠れ潜んでいた。
「そこで地面を見たときに思ったんだ。 昨日今日は雨なんて降っていないことに気づいたときにもしかしたらと思った。 もしかしたら冷羅魏の能力は単に氷を使うのではなく――――――氷にさせることができるもの全てを操れるのではないか‥‥‥ってな」
液体は凍らせることができる。
冷羅魏の能力は、凍らせることができればなんでも操れることにあるのではないだろうかと翔は考えた。
冷羅魏は、翔たちを液体としての姿で隠れ潜んでいた。
そして油断したところを、氷の能力で一気に凍結させようとしていたのだろう。
「だから俺はお前に何かされる前に一撃放った‥‥‥だが、どうやら効かなかったらしい」
翔は炎の力を解除させず、全身に鎧のように纏わせる。
凍える真冬の中で燃える炎は白い蒸気を大量に発生させていく。
先程まで寒さに震えていた朝我とヴァンは、翔の熱によって暖かくなっていた。
これは冷羅魏の能力である氷に対して発動したもの。
仲間が凍結させられようとも、助けられると言う利点も兼ね備えていると言
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