第三章 兄弟の真実編
第四話 兄妹・護り、護られる存在
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る時間も暇もない。
今はただ、目の前にいる敵を倒すことだけを考える。
そしてルチアの相手は黒いショートヘアーの女性、澄野 クロエとなるだろう。
ルチアたちは各々武器を構え、戦いが始まるのを待つ。
そして、どちらからともなく同時に走り出し、戦いは始まった――――――。
***
それから約数分前の別の場所――――――相良翔は朝我零とヴァン=皇海の二名を連れて灯火町の中心にある灯火学園の近くを歩いていた。
時間も時間なため、三人の足音以外の音はほとんど聞こえない。
特に会話もないため、無音の夜の世界を歩き続けていた。
ここに来る前に翔は、井上静香から対象である魔法使い『冷羅魏 氷華』が現れる場所を教えてもらっていたため、迷うことなく進んでいた。
三人とも、いつ不意打ちが来るかも分からないため、周囲を警戒しながら見渡す。
地面は雨が降った後のように濡れていて、冬の寒さで凍結している可能性もあるため、足元にも注意していた。
「翔。冷羅魏ってのはここにいるのか?」
「静香先輩の話しだと、ここらしい」
朝我の質問に答える翔、そして今の周辺を確認したヴァンが更に続く。
「ですが、気配を感じません。 もしかして、僕たちがここに来るのを予想されたんじゃ?」
「‥‥‥」
ヴァンの意見には朝我も一理あったようで、静かに頷いた。
だが翔はどこか不満そうな表情を崩せなかった。
それは、翔だけが何かを感じ取っている証拠だった。
「お前、何か気づいたのか?」
「‥‥‥気づいたわけじゃない。 だけど、なんか‥‥‥」
翔は周囲を何度も見渡す。
朝我とヴァンは何も分からないまま、ただ翔を見つめていた。
何も見えない暗黒の世界の中、翔は“気配とは似て非なる何か”を感じ取り、その場所に冷羅魏がいると思い、探していた。
「‥‥‥」
翔は思考をフル回転させながら周囲を見渡す。
思考と行動を激しく繰り返す中、翔は気づいた。
「(待てよ‥‥‥そういえば昨日今日で――――――雨は降ったか?)」
翔が気づいたのは、翔たちが歩く地面だった。
雨が降った後のように湿っているが、よく考えれば昨日今日は雨なんて降っていなかった。
この濡れ具合は一体、何を意味するか‥‥‥翔は答えに辿りついた。
「はぁぁぁああああああッ!!」
そして翔は答えに辿りついたと同時に全身に意識を集中させて雄叫びをあげる。
脳に流れる膨大な|魔法文字を複雑に組み合わせ、新たな魔法を発現させる。
「
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