第三章 兄弟の真実編
第四話 兄妹・護り、護られる存在
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ルチアの姿‥‥‥一枚の黒い羽衣が彼女を包み込み、左手には自身の身長の倍近くある長さの黒き鎌が現れる。
結衣の姿‥‥‥白いノースリーブのインナーの上に同色の白に黒いラインが入ったショートジャケッ卜。
白を主体に黒い細め縦のラインが入ったホットパンツ姿はまさに格闘系の姿。
静香の姿‥‥‥白と桜色を強調した騎士風の戦闘服に、左腰にレイピアを収まった白に桜色のラインが入った鞘の姿となる。
気配を誰よりも察知した静香は鞘からレイピアを抜き、刀身に魔力を込める。
するとレイピアは魔力の光を帯びて淡い桜色に光りだす。
周囲を見渡しても、人の姿は見当たらない。
だが静香は気配を感じ取り、どこかに隠れている魔法使いを探していた。
ルチアと結衣もまた、同じように周囲をゆっくりと見て気配を感じ取ろうとする。
「‥‥‥ッ!」
先に気配に気づいたのは――――――喜多川結衣だった。
結衣は気づいたのと同時に右拳を振りかざし、魔力を集め、その方向に向かって勢いよく放った。
「見つけた!!」
その言葉と同時に、拳に集まった魔力はビームのように長い尾を引いて人影のない廃墟に向かって真っ直ぐ放たれた。
魔力が廃墟にぶつかった瞬間、建物は直撃した箇所を中心に、まるで破裂したかのように激しい爆発音とともに壊れた。
壊れた廃墟は、しばらく砂煙で周囲の視界を見えなくさせた。
砂煙が消えると、二人の女性の影が見えた。
「あら、随分と腕をあげたようね。 結衣ちゃん」
「お陰様で、あなたの気配だけなら簡単に見つけられるようになったよ」
皮肉混じりの会話をする結衣と一人の女性。
砂煙が消えると、その姿が明らかとなった。
黄色いロングテールの女性と、黒いショートヘアーの女性の姿は間違いなく、例の魔法使い二人組だった。
結衣と会話したのは黄色いロングテールの女性‥‥‥不知火 都姫のようで、ルチアは『知り合いなの?』と質問すると結衣は苦笑いしながら答える。
「因縁って言うのかな‥‥‥あの人とは、どうも引き際って言うのが分からないみたいでね」
「‥‥‥そう」
どうやら前から戦っていた敵らしい。
恐らく、彼女の連れである朝我零と言う少年も彼女と戦っていたのだろう。
だからこそ、ルチアや静香よりも先に気配に気づいた。
だが、何よりも驚きなのは先ほど見せた魔法だった。
詠唱なしで、一瞬にして発動したにも関わらず、命中精度・破壊力は申し分ないものだった。
‥‥‥いや、詠唱がなかったわけではない。
あまりにも詠唱が速すぎたのだ。
一体どんな実戦を経験したのだろうかと気になるところだが、それを聞いてい
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