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魔法使いの知らないソラ
第三章 兄弟の真実編
第三話 兄妹・約束と絆
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全力で行きましょう」


静香の言葉に2人は大きく返事をしてルチアが話す。


「私は一人でクロエを相手します。 元々私の魔法は集団戦には向きませんから」


ルチアの武器は近接戦闘が主となっている。

もちろん中距離からの魔法攻撃も可能だが、詠唱に時間がかかるため、武器のことも考えると近接戦闘となってします。

動きを考えると、サポートも邪魔になるかもしれないため、結局は1VS1が一番いいのだ。

静香もそれを理解しているため、仕方なく頷いてしまう。


「本当はあなた一人で戦わせるのは厳しいですが、私達では邪魔になるでしょう」

「すみません。 ですが、必ず勝ちます」

「ええ。 この町のためにも‥‥‥必ず」


話が終わると、静香は結衣の方を向いて話をする。


「結衣さん。 あなたの力も必要です。 私一人では辛いですから、期待してますよ」

「は、はい‥‥‥こちらこそ」


そう言って二人は握手をする。

結衣が人見知りのタイプなのは、静香もルチアも理解した。

だからこそ、そんな彼女と確かな絆を生むためにこちらから距離を詰めた。

これで少しでも変化があればいいなと言う願いもあった。

誰も失わず、必ず勝つ。

その願いだけは、誰もが一つ同じ願いであるのだった――――――。



                  ***




《BチームSide》


「まさかこのメンバーになるとは‥‥‥」


翔はBチームの二人と涼香を含めた4人で会話をしていた。

主な作戦も、近接型ばかりの全員は特に考える必要はないのだ。

だから翔たちは、この場所で絆を深めようと考えた。


「ヴァン。 互いに助け合おう 。俺がお前を助けて、お前が俺たちを助けるんだ」

「はい‥‥‥頑張ります」

「ああ。 期待してる」


翔はそう言ってヴァンの右肩をポンと叩く。

緊張が、少しでも解れてくれればなと言う思いもあった。

そう考えていると、朝我が翔と涼香に向かってある話をした。


「翔、姉さん。 覚えてるよな? 約束」

「ああ。 当然だ」
 
「大切な約束だよね」


そう。翔、零、涼香の三人が絆を固く持っているのは、この約束があるからだ。

それは‥‥‥孤児院と言う世界しか知らなかった彼らの約束。

――――――いつか、世界の全てを見る。

つまり、世界旅行である。


「高校卒業したら、全員で行こうと思ってるんだけど、どうだ?」

「どうだろな‥‥‥俺はまず、義妹の家族と色々と話さないとだからさ」

「私は来年で卒業だから、先に準備しちゃうかな」


約束は叶
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