第三章 兄弟の真実編
第三話 兄妹・約束と絆
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がわ) |結衣』。 俺たちと同じ一年生だ」
紅葉色の長いストレートの髪。
青いボタンなしの制服を羽織り、中の白いワイシャツからは赤いネクタイが見える。
白と青の縦ストライプの太ももの半分程度の丈しかない短いスカートの姿は恐らく朝我のいる学園の制服なのだろう。
鋭く真っ直ぐな薄緑の瞳は無表情だとまるでこちらを睨みつけているようだ。
そんな彼女――――――喜多川結衣は翔とルチアを見回すと警戒している様子で翔を睨みつける。
「え‥‥‥あ、えと‥‥‥相良翔です。 朝我とは同じ孤児院出身なんだ」
「‥‥‥それはよかった」
そう言うとふぅ‥‥‥と一息ついて警戒を解いた。
それに釣られたように翔とルチアも安堵の息を漏らすと朝我がバツが悪そうに頭を下げて謝罪する。
「悪いな。 こいつはちょっと事情持ちなんだ」
「構わないさ。 涼香姉さんもお久しぶり」
翔は話題を変え、次に翔は同じ孤児院で育った二つ年上の少女、皇海涼香に声をかけた。
彼女は孤児院で最年長の人で、翔や朝我は姉さんと呼んでいる。
彼女は翔とルチアを見てペコリと頭を下げてから挨拶をする。
「皇海涼香です。 弟君たちと同じように孤児院出身です。 弟君が元気そうで良かった」
「大丈夫だって‥‥‥全く、姉さんは相変わらずみたいだな」
心配そうな表情で翔の顔をペタペタと触って確認する涼香に翔と朝我はわかっていたように苦笑いしながら受け入れていた。
ルチアと結衣はどこかイライラしたような表情で翔と朝我をジト目で睨む。
その視線を感じ取った翔と朝我はビクッと反応すると涼香の手を離し、涼香のパートナーと思わしき少年に視線を移す。
どう見ても翔たちより歳下‥‥‥恐らく翔の義妹である護河奈々と同い年くらいの雰囲気の少年だった。
若草色の髪に白と緑のジャケットに、黒いジーパンを履いている。
瞳は外人のように細めで、肌も日本人よりも白っぽい‥‥‥フランス人と言うイメージが強い雰囲気。
だが、彼から発せられたのは完璧なまでの日本語だった。
「初めまして。 僕は涼香姉さんの義弟の『ヴァン=皇海』です。 よろしくお願いします」
後輩らしく、礼儀正しい立ち姿勢に会釈をすると翔は苦笑いしながら言う。
「そんな堅苦しくしなくていいさ。 俺たちは互いに同じ目的を持ってる仲間だ。 仲間に必要以上の礼儀はいらないさ」
「は‥‥‥はい」
ヴァンは翔を見るめると、小さく頷いた。
まだ慣れないだろうけれど、時間がたてば‥‥‥本当の意味で仲間になるだろう。
そう思いながら、翔もルチアを紹介する。
「彼女は“俺の学校の同級生”
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