第三章 兄弟の真実編
第一話 兄妹・焦りと再会
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
然その場で立ち止まる。
左右にいるルチアと紗智は遅れて急ブレーキをかけて止まると、慌てるように翔の方を向く。
「翔、どうかしたの?」
紗智がそう聞くと、翔は無言で通学路の先にいる一人の少女を見つめていた。
茶髪のサイドポニーテールの髪にスクエア型のメガネをした少女。
白いワイシャツの上に青いカーディガンを着て、下は白と黒のストライプ柄の膝下まで丈のあるスカート。
身長は紗智(158cm)より少し低いと言ったところだろう。
その少女はこちらを‥‥‥相良翔を優しい表情で見つめながらこちらに向かって歩いてくる。
「なんで‥‥‥お前が‥‥‥」
「翔‥‥‥あの子は?」
どう見ても歳下、恐らく中学三年生程の年齢だろう。
この町で、翔に後輩で紗智やルチアの知らない後輩はいないはずだった。
まして、翔が動揺するような人なんてこの町にはいない。
とすると彼女は、この町とは別の場所、そして相良翔がいた場所。
そこまで推理したところで、ルチアは感づいた。
翔から聞いたことのある、翔の過去。
その中にいる登場人物で唯一、この場に現れて相良翔を動揺させることのできる少女。
推理出来た時、少女は走り出し、翔の胸に飛びついた。
そして嬉しそうな声で少女は言った。
「久しぶり――――――お兄ちゃん!」
その一言ではっきりした。
彼女は‥‥‥相良翔の守りたい、大切な人。
そして、相良翔がこの灯火町に来る最大のきっかけを与えた少女。
――――――|護河 |奈々
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ