第三章 兄弟の真実編
第一話 兄妹・焦りと再会
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先生から聞いた話しでは、生徒会役員の人数に大きな規定はないそうだ。
選挙に立候補し、投票率が基準値を超えれば生徒会に入れると言うシステムらしい。
とはいえ、小中高一貫ということもあり、生徒会に入れるのは中学に上がってからとなる。
あとは生徒会長が勧誘して生徒会にいれると言う制度もあるらしいが、これが特権と言うものだろう。
まぁ、職権乱用と勘違いされることもあるらしく、この制度に関しては毎年討論とが行われているということらしい。
「さ、入るわよ」
「ああ。 そうだな」
などと考えていると、ルチアは引き戸となっている生徒会室のドアを開けた。
その瞬間、生徒会室の空気が翔の頬を掠める。
懐かしいような和の香りが鼻腔を擽る、
生徒会室のなかは、驚きにも畳がある広い大部屋のようになっていた。
‥‥‥いつか前に翔は、生徒会室は数年前だけ大きくリフォームしたと聞いたことがあるのを思い出した。
その時に校長や生徒会の意見でとある旅館の広い和室をイメージした空間にしたというのを聞いた。
確か広さは20畳‥‥‥一体何を考えているのだろうかと疑問を当初抱いていたが、以外とこの空間も悪くないと思う自分がいた。
「待っていましたよ。 ルチアさん、相良さん」
「井上先輩‥‥‥?」
横長に広がる木製の丸いテーブルの前に正座で待っていた女性。
この学校の生徒会長にして、魔法使い――――――井上静香だ。
どうやら要件は彼女直々の話のようだった。
「どうぞ、座ってください」
「はい」
「失礼します」
静香の言葉に従い、二人は隣同士に座り、静香と向かい合う位置に正座で座った。
二人が座るのを確認した静香の表情の表情が鋭くなり、この部屋一帯の空気がピリピリとする。
その空気に翔とルチアは反射的に背筋を伸ばす。
そしてその空気のまま、静香は話しを始める。
「お二人を呼んだ理由は、お察しの通りです。 この町で新たな事件が発生しました」
そう言うと静香はブレザーの内ポケットの中から三枚の写真を出して翔とルチアのほうに向けて広げるように見せた。
一枚目に写っていたのは、夜に撮影した証の黒い背景、そこに写る黒いロングコートを着た緑色のナチュラルショートの男性と、黄色いロングテールの髪をしたブロンドのカーディガンに黒いロングスカートの女性と、黒いショートヘアーに白いコートと黒いスカートの女性の三人が写っていた。
夜闇のせいで表情までは見えないが、三人とも20〜30代であるのはその細くてスラリとした体型と身長である程度読み取れた。
二枚目の写真は少しショッキングなものだった。
衣服はボロ
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