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魔法使いの知らないソラ
第二章 迷い猫の絆編
第四話 迷い猫の涙
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ればいけないのだから。


「あなたは、あの黒猫がやっていることを手伝いたいの?」

「そうだよ。 ショコラは間違っていることはしないもん。 私は友達だから、それを手伝うの――――――」

「――――――違うわッ!!」

「ッ!?」


ルチアは、怒りを露わにした。

声を上げ、怒鳴るとミウは怯えて一瞬だけビクッと震える。

そしてルチアは怒りながら言った。


「それは友達じゃないわ! あなたは友達としても、飼い主としても、魔獣の主としても失格よ!!」

「なんで‥‥‥なんで、お姉さんにそう言えるの?」


ミウもまた、否定されたことに対して怒りを露わにする。

銃口をルチアの額に向け、短剣に魔力を集める。

脳に溢れる膨大な|魔法文字(ルーン)を、脳が焼けてしまうかと思うほどの勢いで組み合わせていく。


「ずっと独りぼっちだったの。 朝も、お昼も、夜も、起きるときも、寝るときも、ご飯を食べるときも‥‥‥たまにお医者さんが笑顔で挨拶にくるけど、すぐにいなくなって、私はまた独りになってたの。 ずっと、ずっと。 お姉さんに、その気持ちがわかる? そんな寂しさを助けてくれたのがショコラで、ショコラは私の全てを変えてくれたの。 だから私はショコラの味方でいたいの! 友達でいたいの! だから私は、お兄ちゃんもお姉さん達も、みんなみんな倒すの!!」


短剣を真っ直ぐ、槍のようにミウは投げる。

更に弾丸を放ち、短剣の柄頭に当たり、速度と威力をあげる。

今度は、ルチアの盾を貫こうと考えたのだ。

 剣を銃弾のように放つ――――――『貫く死の銃剣(デス・ヴォ―パル)

放たれた剣はルチアを貫かんを放たれていく。


「私には分からないわ。 全くわからない‥‥‥そして、分かりたくない」


そう言うとルチアは左手に発動していた『|夜天飲み込む無の闇盾(アオス・シュテルベン)』を解除して、左手を真っ直ぐ伸ばす。

そして迫る剣を――――――人差し指と中指の間に挟んで抑える。


「う‥‥‥そ」


ミウは、渾身の一撃を呆気なく止められたことに、全身が力なく崩れていく。

そしてルチアは指に挟んだ短剣を地面に投げ捨てると、ゆっくりとミウに向かって歩み寄る。


「独りがどれだけ辛いかを理解できても、それを理由に全てを破壊しようだなんて私は思わない。 誰かを悲しませることが、誰かを苦しめることが、孤独を理由に許されるわけがないでしょ!? それにあなたは友達と言う意味を理解できてない」


ルチアはミウに伝える。

友達と言うものを知ったからこそ言えることがある。

それを、友達を知らないミウに教える。


「友達は決して、過ちの手
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