第二章 迷い猫の絆編
第四話 迷い猫の涙
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なぜならルチアにとって相良翔とは“そういう存在”だからだ。
「お姉さんも敵なら、私がショコラを守る。 絶対に!」
「‥‥‥無理よ。 あなたじゃ、私には到底及ばない。 それにあなたは、間違ってる」
ルチアは淡々にそう言うと、左手に持つ鎌を消滅させる。
武器を持たず、素手と魔法で相手をしようというのだ。
「私は間違ってない! 友達を守るんだもん、間違ってないでしょ!?」
「いいえ! あなたは間違ってる! だから私達の敵になってるの!」
「間違ってない!!」
そう言うと、ミウは魔法使いとしての武器を両手に持った。
右手には刃渡り60cmほどの短剣、左手には回転式の拳銃、形状からしてM1873‥‥‥ピースメーカーだろう。
短剣に拳銃、どちらも持つのであれば片手で持てる武器だ。
これもまた召喚をする魔法使いの特徴である。
生物系魔法使いは、召喚にその膨大な魔力を消費する。
そのため、自身が使用する武器には魔力を多く使えない。
相良、ルチア、静香の三名は武器や魔法そのものに魔力を使えるため、武器も合わせた大きさにできるがミウにはそれができない。
そのため、召喚を使う魔法使いは決まって武器は片手で持てるものとされている。
だがルチアは怯むことなく、左手を前に出して詠唱を始める。
「闇よ守れ、我が前に迫る敵の全てを飲み込む盾となれ!」
左手を立てて唱えると、闇が手のひらに収束していき、薄く丸いディスク状に変化する。
「友達を守るのが友達‥‥‥だから私は、守るの! そのなにが間違ってるの!?」
そう言いながらミウは、銃口に魔力を収束させ、小さな魔力の弾丸を作り出す。
そして一発、音を立てて放った。
魔力を使って放つ銃弾魔法――――――『|撃ちし者の光(ウン・エントリヒ・シーセン)』
弾丸は真っ直ぐ、ミウの狙い通りにルチアの額めがけて向かっていく。
だがルチアは動じず、ディスク状に変化した闇の魔力を突き出すように構え、盾にする。
迫る全てを飲み込む闇の盾――――――『|夜天飲み込む無の闇盾(アオス・シュテルベン)』
ミウの放った弾丸は全て闇の盾に触れた瞬間、粉々に砕けて盾に飲み込まれて消滅した。
「この盾に触れたものは全て砕いて飲み込む。 その場所で私を狙う限り、永遠に私は倒せないわ」
ルチアには、魔法使いとしての経験と知識がある。
そのため、生物系魔法使いの弱点と言える部分を知っている。
だが、何も知識のないミウはルチアにとって大きな敵ではないと思っている。
そしてルチアは、ミウの間違いを正さなければいけない。
相良翔にできないことを、やらなけ
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