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魔法使いの知らないソラ
第二章 迷い猫の絆編
第四話 迷い猫の涙
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力を一気に込めて爆発させると、瞬間的に加速速度を更に倍にしてレイピアを伸ばして攻撃する。

無数の矢のように静香の突き技は光速で龍の全身を突く。


「ッ!?」


だが、無数に放ったレイピアは全て尽く弾かれ、傷一つ付けることはできなかった。

すると龍は全身を目にも止まらぬ速度で回転させると、一瞬にして竜巻を発生させて静香を飲み込んで雲の上まで飛ばす。

龍はソラから落下していく静香に向かって真下から口を大きく開けて向かってきた。

間違いなく、静香を喰らうつもりだった。


「龍が本気ならば、私も‥‥‥本気を見せましょう!」


そう言うと、静香は脳に流れる膨大な|魔法文字(ルーン)を複雑に組み合わせて、全身からレイピアにかけて、全体に行き渡らせる。

――――――漆黒のソラに、静香の持つ淡い桜色の魔力が花火のように放出されて輝く。

まるで季節外れの桜が、夜のソラに舞い散るかのように‥‥‥


「はッ!!」


気合一閃、桜色の閃光が尾を引いて地上に落下した。

龍を真っ直ぐに貫き‥‥‥地上に落として。


「地上でもソラでも、私は戦えます。 全ての世界が、私の|戦場(いくさば)です!」


凛々しいまでの姿。

誰もが従ってしまうほどの、圧倒的な存在感。

弱き敵を寄せ付けず、強き敵を求めて探求する心。

弱きをいたわり、守る想い。

誰にでも厳しく、優しく接する力。

それを知る学園の生徒たちは皆、彼女のことをこう呼ぶ。


――――――『桜女帝(さくらじょてい)


そして桜女帝の持つ魔法もまた、彼女の素材にとても相応しいものだった。

大地も、ソラも、海も、彼女にとっては大きな壁にはならない。

彼女の進み道を邪魔することはできない。

 彼女の持つ魔法の力は、弱きものを受け入れず、ただ己が認めたもののみ、その力の覚醒を許す女帝の鎧――――――『|女帝纏いし神聖の鎧(エンプレス・クロイツ)』

最強の龍と桜女帝の戦いが始まる。


「参ります!」


駆け出した瞬間、静香の全身を淡い桜色の光、魔力が包み込む。

そして光の尾を引いて、文字通りの閃光のように龍に向かって迫る。


「閃光よ、全てを貫く槍となれ!!」


真っ直ぐ、振れることなく放たれた突撃魔法。

 全てを貫く、閃光の槍――――――『|龍討つ閃光の桜槍(エンプレス・シュトラール)』

桜色の槍となった一撃は、龍を腹部から真っ直ぐ突き刺し、通り抜けると、桜が舞い散るかの如く、ゆっくりと地上に落ちて着地する。

全てが一瞬の出来事で、龍の強固な鱗をも貫かれ、龍は悲鳴を上げて地面に倒れこむ。


「では、これで決めま
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