第二章 迷い猫の絆編
第三話 迷い猫の怒り
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てあげられる翔だから、ショコラを止めると決意できた。
「ショコラがここで病院を破壊すれば、病院にいる人は傷ついて、それを心配する家族や仲間がでる。 その人たちもきっと、俺やショコラと同じ気持ちになって、同じ日々を過ごすことになる。 そんなこと、絶対に繰り返しちゃいけないんだ!!」
翔はそう言うと、右手の空間を歪ませ、魔法使いとしての武器である刀――――――『天叢雲』を召喚する。
そして両手で柄を絞るように握り、ショコラを睨みつける。
「だから俺は、お前を止める! お前と同じ苦しみを知る者として、ミウを守るため、そして――――――魔法使いとして!!」
翔は沈み込んだ姿勢から一気に走り出す。
地面ギリギリを滑空のように突き進む。
右手に持った天叢雲に魔力を込め、脳の中で膨大に広がる|魔法文字を複雑に組み合わせて魔法を発動させる。
ショコラは両手の爪に力を込める‥‥‥込めると、色を紅く変化させる。
恐らくあれは、魔力。
魔力を纏わせて、翔と同じように魔法を発動させようというのだ。
そして魔力を纏わせたショコラは地面に爪を食い込ませて大きな穴を開けながら翔に向かって走り出した。
「せいッ!!」
翔は上段の構えから勢いよく刀を振り下ろす。
白い残影を残し、その一閃は真っ直ぐに振り下ろされる。
光り輝く裁きの一閃――――――『|天星光りし明星の一閃(レディアント・シュトラール)』
ショコラは対するように、両手の爪を勢いよく振り上げ、交差させるようにして振り下ろした。
翔とショコラの一撃は、激しい火花を散らしながらぶつかり合う。
「ッ!? ぐあッ!!」
だが、翔は力負けしてショコラの一撃を受けると、遠くに飛ばされて地面に叩きつけられる。
更に容赦なく、次の一撃が翔に迫る。
「くっ‥‥‥なら」
翔は刀を片手だけで握る。
利き手の右手で握ると、手のひらでくるりとペン回しのように回転させ、持ち方を変える。
柄が上に出て、刀身が下を向く‥‥‥逆手持ちと呼ばれる持ち方だ。
ナイフなどを使った近接格闘などでなどく見られる持ち方だが、刀で逆手持ちと言うのは珍しい。
ただでさえ片手でもって振り回すのが難しい刀を、逆手持ちと言う持ち方で振るうのだ。
だが、翔は何度も片手・逆手持ちの練習をしていた。
だからこそ、この持ち方をしても戦える自信があった。
そして翔は迫るショコラの攻撃をひらりと避け始める。
右、左、右、左、上、下、斜め、真ん中、様々な方向から迫る攻撃を翔は一つ一つ丁寧に見切りながら避ける。
‥‥‥そして、ショコラの右手のストレートを避けた瞬間、待
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