第二章 迷い猫の絆編
第一話 迷い猫の噂
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。心霊現象なんていうのは昔からよく言われていることだしな」
話題の内容は当然、今日の休み時間の間に春人が話した『喋る黒猫』のことだった。
これが魔法使いの手によるものであれば、すぐに捜査しなければならない。
それがいたずらか、はたまた何かの目的があるかのどちらかなども不安である。
場合によっては前回のような戦いになることもある。
そう思ったルチアは同じ魔法使いである翔にも意見を聞いた。
「そうね。 確かに心霊現象そのものは異常な現象だけれど、それ自体は対して大きな問題ではないわね。 幽霊だったら除霊の人を呼べばいいだけだし‥‥‥」
「ああ。 まぁ魔法使いという考えであっても、気になる点はあるけどな」
「‥‥‥気になる?」
「‥‥‥俺が初めて魔法使いとなって戦った相手も、獣を使ったよな?」
「ええ」
翔は自らの体験を踏まえて、その気になる点というのを話した。
「あの時の狼男が放った獣は、主が召喚して主の指示に忠実なものだった。 だけど、今回の噂は少しおかしい。忠実に従う獣が、『私の主を守って』なんてお願い事をするか?」
「‥‥‥やっぱり、あなたもそこが気になる?」
ルチアも同じ考えだったらしく、翔は深く頷いて自分の意見を再びいう。
「仮に今回の喋る黒猫が魔法使いに関係するものだったとしたらそれは、黒猫が自らの意思で行動をとっている‥‥‥ということになる」
「‥‥‥つまり、|魔法使い(わたしたち)へのメッセージ?」
「その可能性もあるし、別に魔法使いに問わず、誰でもいいから守ってほしい‥‥‥そういう願いなのかもしれない」
いずれにしても、魔法使いである可能性も兼ねて、猫の主を探す必要がある。
今はまだなにも発生していないが、もしものことも考えて早期解決の必要がある。
「ありがとう、相良君。 とても貴重な意見だったわ」
「別にそうでもないさ。 それに、俺はこの件には関わる必要もないみたいだしな」
「ええ、ここからは私達に任せておいて」
私達というのは、『魔法使い対策本部』‥‥‥罪を犯す魔法使いに対して作られた組織である。
ルチアはそこの一員として、日夜働いている。
翔も一度はスカウトされたのだが、様々な事情によって断った。
だが、翔は必要な時があれば手伝うというボランティア、民間協力者という形でいる。
今回は単に主の発見というシンプルなもののため、現段階では必要がないだろうというものだった。
「‥‥‥それで話しは変わるけど、あなたは自分の魔法について何かわかったの?」
「ああ、それなんだけどな」
次の話題は、相良翔の魔法についてだ。
数多
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