暁 〜小説投稿サイト〜
魔法使いの知らないソラ
第一章 日常と非日常
第四話
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歩き出す。

そして扉の前で振り向き、3人に向けて頭を深く下げて答えた。



「俺は手伝いません。 では、俺は帰ります」




そう言って翔は、扉を開けて洋館から立ち去っていく。


「相良‥‥‥君」

「‥‥‥」


残された3人は、ゆっくりと去っていく翔の背中を、ただ眺めていることしかできなかった。

そして頭から離れないのは、不意に見せた――――――相良翔の、辛く苦しい表情だった。



                  ***




<AM4:00>


「げ‥‥‥もう朝じゃん」


家に帰宅した翔は、壁に吊り下げられている円形の時計に目をやった。

時計の針は四時丁度になっており、すでに睡眠の時間が2時間も残されていないことを知る。


「夕飯食べ損ねて、寝る時間もないなんて‥‥‥地獄だ」


頭を抱えながらも、翔はとりあえず疲れを抜くためにベットに倒れこむ。

仰向けで寝転がると、真っ白の天井を見つめた。


「‥‥‥期待、か」


そしてボーっとしながら、先ほど瞳さんが言っていた言葉を思い返していた。

期待、その単語が翔の中で木霊する。


「‥‥‥俺は、期待されないためにここに来たんだ」


そう言うと翔は、力強く拳を握る。

そして一気に脱力すると、今までの疲れがどっと溢れてきたので、それに身をゆだねて眠りについたのだった――――――。

意識が落ちる前に翔が思い返したのは、小さく微笑んだ、ルチア=ダルクの姿。



‥‥‥そして夢に見たのは、翔の辛い過去のエピソードだった――――――。
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