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魔法使いの知らないソラ
第一章 日常と非日常
第一話
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瀬。

その光景を見て唸る二人。

なぜ翔がそういう事‥‥‥お姫様抱っこをしたのか、理由は今からする彼の行動にあった。


「三賀苗、頼みがある」

「なんだ?」

「あの人ごみに向かって走ってくれ。 ただし、中に突入する必要はない」

「‥‥‥よく分からないけど、とりあえず走ればいいんだな?」

「ああ。 頼む」

「分かった。 行っくぜ!!!」


そう言うと武は再びドドドドっと音を立てながら走り出す。


「よし、桜乃。 俺のあとに続いてくれ」
 
「‥‥‥ああ、わかった」


その時、翔は勝利を既に確信した笑みを浮かべていた。

何を狙っているのか不明だが、彼の指示に従ったみることにした。

腕に包まれて顔を紅潮させる紗智を無視して、翔は走り出す。

その背後を追いかけるように春人も走る。


「ぬぅぉぉおおおおおお!!!!」


先ほど同様、全力で突っ込む武。

それに追いついた翔はそのまま武の背中に飛ぶ。


「よっ!」


タンッ!と音を立てて飛んだ翔はそのまま武の背中‥‥‥を飛び越して、武の頭に右足を置いた。


「ぐあっ!?」

「俺も行くぜ!」

「ぎゃっ!!」


さらに春人も同じように武の頭に飛び乗り、それを踏み台にもう一度飛ぶ。

飛んだ二人はそのまま大量の生徒を飛び越えて購買の一番先頭に着地する。

これが翔の狙い。

隙間がないのなら、空いてる場所‥‥‥ソラを飛べば良い。

丁度、武と言う踏みだ‥‥‥もとい、友達がいたので苦労はない。


「さて、おばちゃん、チョココロネ2つ、コロッケパン3つ、焼きそばパン3つください!」


七瀬を下ろし、春人と二人でパンを確保させ、翔はお会計を済ませておいた。

購買には出口が存在し、購入した人はそこから出る。

これは戦争から離脱させるためである。


「さて、飲み物は自販機のでいいから、とりあえず教室に戻ろう」

「ああ。そうだな」


翔の言葉に春人は頷く。


「うぅ‥‥‥」


そして未だに顔を紅潮し、頭から湯気を出す紗智を連れて翔と春人は教室に戻るのだった。

‥‥‥武を忘れたと気づいたのは、お昼を終えたあと、なぜかコロッケパンと焼きそばパンがひとつずつ余っていることに気づいてからだったのは余談である――――――。



                  ***



午後の授業も終え、放課後になった。

武と春人は部活動があるため、ここで別れることとなる。

翔は紗智を連れて、共に教室を出る。


「七瀬、帰るぞ」

「う、うん」


先に教室へ出た翔を小
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