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魔法使いの知らないソラ
第一章 日常と非日常
第一話
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勃発状態になる。

そのため4人は現在、廊下を全力疾走している。


「今日はカツサンドとコロッケパンが半額だ! 絶対にゲットするぞ!」

「当然だ!」

「わ、私はチョココロネで‥‥‥」

「(弁当、作ってくればよかったかな‥‥‥)」


後の祭り、ということわざを翔は思い出していた。

今の自分の考えたことはまさにそれだろうなと後悔する。

財布はあるし、金はある。

だが、購買戦争で体力を浪費するよりは弁当を作った方が経済的にも体力的にもいいのではないかと思ったのだ。

もっと計画的に行けばよかったと後悔しつつも、取り敢えずこの空腹を満たすがために廊下を駆け抜ける。


「相良! 購買はあそこだ! そんじゃ俺が行く!」

「武! 死ぬなよ!」

「「(購買なのに‥‥‥)」」


4人の中で武が先陣を切ろうとすると、春人が武に敬礼をする。

その光景に翔と紗智はついつい心の中でツッコミを入れてしまう。


「行くぜ‥‥‥うおぉぉぉぉぉ!!!!!」


今一度言おう。ここは購買である。


「ぬぅぉぉぉおおおおおおお!!!!」


もう一度言おう。ここは購買である。


「ぎゃあああああああああ!!!」


最後に言おう。ここは購買である。


「武ぅぅぅ!!!」

「あ、あはは‥‥‥」

「死亡フラグ、いつ建てたんだ?」


結果から言うと、武はぎゅうぎゅうになっている購買に単身切り込んだが、まるでゴムの力のように跳ね返されてこちらにヘッドスライディングのように倒れてきた。

それを春人が抱きかかえて、武の意識を確かめる。


「おい、しっかりしろ!?」

「っく‥‥‥流石、購買だぜ‥‥‥へっ、手も足も出やしない」

「吹っ飛んだしな」

「カウンターだよね」


なぜそんなにカッコつけるのかは不明だが、とりあえず購買の恐ろしさを理解した翔はさてどうするべきかと少し思考を巡らす。


「‥‥‥(人が多すぎて、隙間がない。まるで通勤ラッシュの満員電車。そこに飛び込むのは無謀だよな。人をどかそうにも、運動部の人が多いから、俺たちの体じゃ太刀打ちできない。となると―――)」


考え事をし、ある答えを導き出した翔は右手で前髪をたくし上げる仕草をする。

これは翔の癖の一つで、推理モノで探偵役が顎に手を当てたり、髪を触ったりするように、翔も髪をたくし上げる行為をする。


「‥‥‥七瀬。 ちょっと失礼」

「へ?」


翔は七瀬の横に立つと、膝の裏と背中の裏に腕を回し、彼女を持ち上げる。


「キャッ!?」

「「おお〜」」


驚きのあまり、高く短い悲鳴をあげた七
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