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魔法使いの知らないソラ
第一章 日常と非日常
第一話
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ろの席に座って窓の外を眺めている一人の女子生徒がいることに気づいた。


「(あの人‥‥‥綺麗だな‥‥‥)」


女子の中では少し背が高く、穢れなき黒く艶やかな髪を腰まで垂れ流し、蒼い瞳はまるでソラの色そのものに見える。

清楚で、ポーカーフェイスの彼女の姿は、どこか翔の中で気になるところだった。

‥‥‥そんな彼女に目が行っていると、クラスの女子生徒が一人手を挙げて、翔に転校生に対して恒例とも言える質問をする。


「相良君の好きなタイプはどんな子ですか!?」

「え‥‥‥っと」


恒例といえど、されたことのない質問に対してはどう答えればいいのか分からない。

実際、恋愛には価値はあるだろうが興味がないため、好きなタイプと聞かれると答えに迷う。

翔は少し唸ると、取り敢えず妥当と言えるような答えをする。


「優しくて、積極的な人かな‥‥‥?」


そう答えると次の女子生徒が手を挙げて別の質問をする。


「相良君の趣味って何ですか!?」

「う〜ん‥‥‥趣味って程かどうかは分からないけど、散歩かな? 知らないところを見つけに散歩に出たりすることが多いかな」


本人曰く、趣味と言うよりは癖のようなものだ。

親から聞いた話では、小学生の頃から放浪癖が強く、少し時間があれば勉強・ゲームよりは散歩をしていたらしい。

それで帰りが深夜になったときはこっぴどく叱られたのを、未だに彼は覚えている。


「相良くんは――――――!」

「(まだ続くのか‥‥‥)」


それから数分間、彼は女子生徒中心に際どい質問からぶっちゃけた質問まで、まるでデータを取るかのような勢いで質問を続けたのだった――――――。



                  ***


翔の席は、先ほど窓の外を眺めていた女子生徒の右隣になった。

視力は平均並みなので、別に一番後ろでも特に困ることはない。

朝のHRで質問が終わっているため、特に生徒に囲まれることはなかったは彼にとっては救いとも言えるだろう。

そして今、翔の周りに3名の男女が話しかけてきた。

どうやら3人とも、友人同士らしい。


「俺は『|三賀苗(みつがなえ) |(たける)』。 こっちは『|桜乃(さくらの) |春人(はると)。 そんでこいつが『|七瀬(ななせ) |紗智(さち)』」

「よろしく、相良!」

「よろしくね」

「あ、ああ。 よろしく」


武が一人で二人の名前を代表して言ったところを見ると、どうやら3人組のリーダー的存在なのだろう。

黒く、所々逆だっている髪がある武と、黒く少し髪の長い春人はフレンドリーなかんじを出すが、少し青みがかかったポニーテール
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