第一章 日常と非日常
第一話
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ら会話をしていた。
「私のクラス、1-1組は55人いるの。多いから不安も多いと思うけど、すぐに慣れるわよ」
「はい‥‥‥」
流石はマンモス校、ひとクラスの人数もそれなりに多い。
しかも、廊下を歩き始めてすでに1分は経過している。
ペースは少し速歩にも関わらず、未だに『1-1』と書かれたプレートが見つからない。
「(というか1-6組って‥‥‥多いな)」
どこの学校も基本的には一学年4クラスか3クラス編成だ。
翔の通っていた中学校も4クラス編成になっていた。
その上、今は少子高齢化と言われている。
そのため、6クラスある学校は珍しい。
「さて、ここよ」
「‥‥‥」
そんなことを考えていると、1-1と言うプレートの真下に辿りついた。
ドアを開ければ、きっとこのクラスの全生徒が自分を見るだろう。
そのプレッシャーとも言える空気に、彼はどう言う挨拶をすればいいのかと不安に思った。
「それじゃ、入りましょう」
「‥‥‥」
翔の耳は、柚姫先生の声を聞き入れてはいなかった。
決してあがり症というわけではないが、冬の寒さと言葉にできない程の緊張感から、全身が氷のように冷え、脚がガクガク震える。
そして吐き気や過呼吸になりそうなのを無理やり押さえ込むと、柚姫先生と共に教室の中に入っていくのだった。
「はい皆、HRの前に今日は転校生と紹介します」
柚姫がそう言うと、翔は生徒達の視線から逃れるかのように、背を向けて黒板を見る。
そして白いチョークを右親指と中指でつまみ、人差し指を指差すように支えて安定させるように持つと黒板に自分の名前を一番後ろの生徒にも見えるであろうとも言えるような大きさの文字で書く。
書き終えた翔は意を決したように再び生徒達の方を向くと、軽く挨拶をする。
「相良翔です。 今日からこのクラスでお世話になりますのでよろしくお願いします」
軽く会釈をし、挨拶をすると生徒たちは歓迎するかのように笑顔で拍手をしてくれた。
その光景に、翔は『ふぅ〜』と、安心したように溜まった息を吐き出す。
もしも真面目な人たちが集まって、暗い空気になっていたらどうしようかなと不安だったが、どうやら明るいクラスのようだ。
そのことに安堵すると、柚姫先生が書類に書かれていた程度の情報で相良翔の説明をする。
「相良君は昨日、|灯火町に引っ越してきたばかりだから何も知らない。 だから皆さん、相良君に色々と教えてあげてくださいね」
先生の話に、生徒は『は〜い!』と快く受け入れた。
そんな明るい光景を眺めていると、翔は教室の隅っこ‥‥‥窓側一番後
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