第1章 闇艦娘の提督
第02話
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、そういうの! 甘酸っぺぇなぁ! むしろしょっぺぇなぁ! ぎゃははははははははぁッ!」
提督は腹を抱えながら笑い上げる。
提督の言う通り、前世での影響なのだろうか。
いま響が感じている気持ちは、響にとって初めての、いままでに感じた事も抱いたこともないような感情……そう感じるのだが。
「……お、おかしいですよ……ね……」
響は暗いトーンの声で、乾いた笑みを浮かべがら提督に言った。
「あ、あれ? な、なんで、こんな……」
響は頬に伝う濡れた感触に戸惑った。
響はこぼれる溢れる涙を拭うが、涙は止めどなく溢れてくる。
「なんで涙なんか……どうしてなの? ……私、泣いてる? なんで泣いてるの?……」
涙をぬぐい続けながら、響は気まずそうに提督から顔を背ける。
それを見た提督はチッと舌打ちをする。
「響よぉ、過去なんてどうだっていいんだよ。いいかぁ? 過去ってのはよぉ、戻ってどうにかできるもんでもねぇだろ? そんなもん気にすんな。今だ今! 今が大事なんだ! 過去を振り返ったってよぉ、未来を想像したってよぉ、今がダメなら無意味なんだぜ? そう思わねぇか?」
提督は響の唇に強引に吸いつき、響の口内をべろんべろんに舐め上げた。
そして乱暴に唇を離す。
響はいきなりのことにきょとんとしている。
「いいか? 好きだとか嫌いだとか、そういう気持ちは全面的に出しちまえ。内に秘めるな。泣くまで溜めこむな。言っとくが、ここにいる艦娘はみんな俺のことが好きだぜ? 俺の愛してるんだよ。俺だってそうだ、あいつらのことが好きだし、愛してるぜぇ。お前だってそうだ。俺はお前のことが好きだし、愛してんぜ」
どくんッと響の胸が高鳴った。
いきなり面と向かって好きと言われ、愛していると言われてしまった。
正直、自分の中にあるドキドキが恋愛感情なのかどうか、わからない。
恋愛どころか恋すらもしたことがない響にとっては、男女関係の知識など皆無である。
ただ、提督に好きと言われ、愛していると言われ、響も同じ気持ちになってしまった。
どうしようもなく熱く、切なく、嬉しいけど苦しい、そんな感情がいっぺんに襲ってきて、響は困惑している。
「ここにいる艦娘達はバカ正直で困っちまうぜ? 俺が内に秘めるなって言ったらよぉ、まぁ大変なことになっちまったわ。あいつら俺に甘え放題でよぉ、好きだ愛してるって言いよってきてよぉ、そのせいであいつら衝突し合っちまうんだよ。だから毎日喧嘩は絶えねぇ。それでも俺のことをがつがつして求めてくるし、感情剥き出しの女ってのはとんでもねぇ生き物だぜ。そんなのがここには100人以上いてよぉ、そいつらの相手を毎日すんだぜ、俺ってばよぉ。マジ、死ぬぜ? 死ぬけどなぁ。でも俺はバ
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