噛ませ犬といざこざ
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俺は今日の攻略を終えてアイテムを換金しようと50層の主街区<アルゲート>に向かっていた。あの街を一言で言い表すならば猥雑であった。しばらく移動していると俺が贔屓にしている店がみえた。
「よし決まった!<ダスクリザードの革>20枚で500コル!」
おいおい、さすがにそれは安すぎだろう。
「相変わらず阿漕な商売してるな、エギル」
お、キリトも来てたのか。
「うっす、エギル」
「サトシか、お前も買い取りか?」
「ああ、キリト先やっちゃっていいぞ」
「そうか?それじゃお先に」
トレードウインドウを見た途端エギルの顔が驚愕に染まった。
「おいおい、S級のレアアイテムじゃねえか。<ラグーラビットの肉>か、俺も現物見るのは初めてだぜ…。キリト、おめぇ別に金には困ってねぇんだろ?自分で食おうとは思わんのか?」
「思ったさ。多分二度と手に入らないだろうしな…。ただなぁ、こんなアイテムを扱える程料理スキル上げてるプレイヤーなんてそうそう…」
アスナに伝えといてやるか。
『アスナ、お前の愛しの人が料理スキル上げてる子探してるぞ』
『すぐ行く』
アスナにしては適当な返信だな。どんだけ好きなんだよ。あいつのこと。
「エギル、俺ちょっと外ぶらぶらしてくるわ」
10分くらい経った頃に店に戻ったのだが入口付近で騒いでいる奴がいた。中にはキリトとアスナがいた。
「そうか、手前、たしか<ビーター>だろ!」
はぁ、うぜえな。
「どけ、入口のところに立つな。邪魔だ」
俺はそう言い長髪の男を蹴飛ばした。
「なんだ。貴様何者だ!」
「黒き疾風」
「き、貴様があの…。アスナ様、こいつら自分さえ良きゃいい連中ですよ!こんな奴らと関わるとろくなことがないんだ!」
さっきまで平静を保っていたアスナの眉根が不愉快そうによせられる。いつの間にか周囲には野次馬の人垣ができ、<KoB><アスナ>という単語が漏れ聞こえてくる。アスナは興奮の度合いを増すばかりのクラディールという男に、
「ともかく今日はここで帰りなさい。副団長として命令します」
とそっけない言葉を投げかけキリトをひきずっていった。
「はぁ、うぜえなぁ。まぁいいや、エギル買い取り頼む」
「おう、にしてもどこにでもああいう奴はいるもんだな」
「本当にな、で、あいつら今日どこまでいくんかねえ」
「キリトは鈍感だからなぁ。おっと、換金終わったぞ」
「ん、サンキュ」
エギルの店で換金を終えて宿屋でやすんでいたらメールが2通来た。1通はキリトから、
『アスナとパーティ組むことになったから一緒に来てくれ』
もう1通はアスナから、
『キリト君とパーティ組むこ
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