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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
41 恋煩〜Have you ever fallen in love with anyone.
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ない。
何故なら明希のことが気になってそれどころじゃないから。昨日は表の人狼の死体を片付けていたから明希はいなかった。だから昨日は調べものがはかどった。でも、昨日の内に全部片付けてしまっていて、今日は目の前にいる。

チラチラと本越しに明希を覗く。明希は集中しているのか全くこちらに気付いていない。
明希は机に対して斜めになるように座っていた。足は組んで机の外に出していて、右肘をテーブルに立てて握りこぶしの上に顎を乗せて頬杖をついている。左手で本を持って読書する姿はとても様になっていてカッコよかった。

ポッと私の頬が熱くなるのを感じて、慌てて視線を本に落とした。そして本が上下逆さまだったことがバレなくてよかった。余計に恥ずかしくなって顔が紅くなる。
端から見ると挙動不審よね私……。明希とパチュリーがそれぞれの作業に没頭しているからと言ってこのまま変な動きをしていたら見られるのは確じ……

「!?」

一瞬誰かの視線を感じた。ただ者ではない濃い妖力を持った誰。明らかに私を見ていた。明希でもないし、パチュリーでもない。一体誰が……

「お兄さま〜!」

ピタッ

明希はページを捲る手を、パチュリーは試験管の中身を移し変える手を、私はキョロキョロするのを凍りついたように止めた。
お兄さま……?現在の図書室にはお兄さまと呼べるような男の代名詞を使える人は一人しかいない。
そしてお兄さまと爆弾発言した不思議な羽の生えた少女は、明希の首に飛び付いた。

「お兄さま!遊んで遊んで!」
「……一応確認するがフラン。お兄さまって俺のことか?」
「そうだけど…。まさかお兄さまはお姉さまだったの!?」
「いやいや、俺は男だ…。俺が言いたいのは、なんでいきなり俺のことをお兄さまと呼ぶようになったんだ?」
「えっとね、美鈴からお兄さまとパチュリーと小悪魔のことを話してもらったの。それでお兄さまは御姉様が吸血鬼にしたって聞いて」

フラン…とか言う少女は明希の膝の上に何食わぬ顔で乗った。裏山…じゃなくて!

「明希…その子は…?」
「ああ。フラン、アリスに自己紹介」
「うん。私はフランドール・スカーレット!レミリア御姉様の妹で明希お兄さまの妹でもあるの!フランって呼んでね!」
「え、ええ。私はアリス・マーガトロイド。アリスでいいわ」

フランは明希の膝の上から動かずに自己紹介をした。

「フラン。なんで俺が兄なんだ?レミリアが俺を吸血鬼にしたからって言うなら俺は弟か甥っ子に当たらないか?」
「そうだけど…弟や甥っ子じゃ変なの。…お兄さまって呼んじゃ…だめ?」

フランは明希の膝の上で上目使いで言った。…あれは何て言う名前の脅迫かしら?そんな顔されたら初対面の私だっていいと返事をしてしまう。フランはそんな顔をし
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