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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
41 恋煩〜Have you ever fallen in love with anyone.
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「はぁ……………………」
私はカップを片手に、もう片方の手で頬杖をつきながら長い溜め息を溢した。
「シャンハーイ?」
「ホウラーイ?」
人形の上海と蓬来が私が溜め息を溢したことに、あたかも疑問を持ったように反応した。あくまで人形だから疑問を持つ筈がない。そう反応するように私が命令式を予め入れていたから、それに従って反応しただけ。
「貴女達はある意味いいわよね…。この胸のモヤモヤや苦しさを感じなくて済むのだから…」
はぁ…とまた溜め息を溢した。尤も、私はこの苦しさを本気で嫌だと思っている訳ではない。…私にマゾヒズムの精神は持ち合わせていないわ。念のため。
この症状が出てきたのは昨日、紅魔館から家に帰って夕食の支度をしている最中だった。
………………………………………
……………………………………
…………………………………
私は図書室から得た情報を人形に取り入れる時間を確保するために、夕食を簡単に済ませようとトマトとチーズを使った簡単なスープを作った。鍋に火をかけてかき混ぜている時に、ふと明希のことを思い出した。多分、トマトの赤色が血の色を連想させたのでしょう。吸血行為のせいね。
そして、明希のことを思うと何だかんだ胸がモヤモヤして苦しくなってきた。自分でも驚いて、初めは何かの病気かと思った。でも、焦った時にはいつの間にか胸のモヤモヤが消えていた。何故?と不思議に思いながらも鍋から皿にスープを注ぎ冷めない内に食べることにした。
食べ終わってから紅魔館で集めた情報を元に人形を作っていると、あ、あの村で買った鉱石があったわねと思い出した。
鉱石を手に取っていると、明希とのあの村でのやりとりが思い出された。
村から出られなくなった二日目の昼過ぎ。私は柄にもなく自分の昔話をして愚痴を言ってしまったのだ。
そんな私を明希は少し困ったような優しい顔で私の頭を撫でてくれた。
いきなり頭を撫でられて最初はビックリしたけど、段々心が落ち着いて胸が暖かくなった。
その事を思い出していると頬が緩み嬉しくなっている自分がいた。二日目のことを思い出していると釣られて三日目のことも思い出してしまった。
あのときの私は大胆にも明希を膝枕してしまった。その…初めは撫でられたお礼がしたくて私も何か出来ないかなと思っていたのだけど…。
その日明希はフラフラして眠そうだった。紅茶を淹れるのはいいと私は言ったけど、明希は寝惚けていて淡々と紅茶を淹れた後に寝てしまった。
椅子に座って机に突っぷしている明希の黒髪を机越しにおそるおそる撫でてみる。初めて触った男の人の髪は私のと比べて少し硬かった。
机を挟んで前のめりの状態はちょっときつい。そこで私は椅子を明希の隣に持っていった。しかし、それでも明希の頭を撫で辛かっ
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