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少年と女神の物語
第百二話
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聖槍(ロンギヌス)が草薙の剣の軌道を少しそらし、雷はヒルコの手に直接あたる。
 それを確認した俺は雷を撃ち続けながらヒルコに向けて走り、

「ウコンバサラ、打ち砕け!」

 その軽く痺れた状態の手を、ナーシャが横から忘れ去られた雷神の雷鎚(ウコンバサラ)で下から思いっきりぶったたき、草薙の剣を上に弾き飛ばす。

「ナイスだ、二人とも!で、悪いんだけど、」
「分かっている!早くこっちに来い、武双君!」

 アテの権能で再び迷妄しているヒルコを無視してナーシャの元まで走り、忘れ去られた雷神の雷鎚(ウコンバサラ)に乗って発射してもらい、


「我は我に仇なす力を許さない。我はその力が存在することを許さない」

草薙の剣に手を伸ばしながら、俺は言霊を唱える。

「故に我はその力を破壊する。存在を許さぬが故に忌むべき力を破壊する!」

 そして、草薙の剣の柄を掴むのと同時に、

「我は今ここに、草薙の剣を、破壊する!」

 言霊を唱えきり、思いっきり握って粉々に破壊した。

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