プロローグ
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壊を振りまく少年の瞳を塞いだ
それにより複写眼の暴走は静まり、少年は暴走の影響で命を落とすこともなかった。
自らが、皆を殺したと泣く少年に、きにするなと一声し、その後も国や貴族の放つ追っ手から逃れ少年を育ててきた
怪我の影響で不自由なところもあったが、彼は一言も少年を責めなかった
彼が、死ぬときも、そうだ。
青年は彼に聞いた。
なぜ自分を救ったのか、なぜ自分を育ててくれたのか
彼は、こういった。
『それは・・・お前が、俺の息子だからだよ』
そして
『お前が、ここまで育ってくれて、俺は今最高に幸せだ』
青年が、返事を返すまもなく、彼は逝った
青年は、泣いた
一晩中、朝になっても泣き続けた
そんな中、青年の体に、見知らぬ声が響く
『主よ。我の声に応えよ』
それが、この少年の人生を変える最初の一言だった。
そして現在
「ようやく、完成したか・・・」
彼は、自らの魔眼である複写眼を用いて、とある大規模な魔法を構築していた
複写眼《アルファ・スティグマ》は、魔眼の一種で、その能力は魔法の解析、及び複製。
他人の魔法であっても、発動をその目で見ればその構成を完璧に理解し、さらには魔法を組む途中であっても、その魔法の最後まで全てを理解できるというものだ
つまり、相手が魔法の『ま』の字でも出すと、その構成、威力などすべてが読み取られる
さらに言えば、魔法の構成だけではなく待機中の魔力の流れなどを見ることもできるため、新たな魔法の構築や、既存の魔法の改造なども可能となる
戦闘能力だけで見ればほぼ皆無で、魔眼の中でもそれ程高位に位置しないが、魔法
を主体とするものを相手とする場合には、これ以上になく有利である。
(だが・・・この眼は、呪われている)
この魔眼の発現により、彼の人生は地獄と化した。
(だが、一方で俺はこの眼を大切にしている。)
彼の父が命がけで守ってくれた体。
呪われているとは言えその一部であるこの眼
これも含めて、彼に救われた自分自身である
こんな呪われた力でも、誰かを救う役に立つと願って
彼に救われたように、自らも誰かを救えると願う
(ただ、この世界には――)
救いようなど、ない
青年一人で手に負えるものではなかった
腐りきりすぎて、もうどうしようもない―――
どうにかできるものがあるとすれば、伝説の勇者――もしくは、稀代の英雄―――
(だが、それは俺ではなかった)
そう、彼にはこの世界を変える力はなかった
英雄という場所は、彼とは程遠いものだった
(今まで放浪した地に
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