第八十一話 寮生活その十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「私達もよくお酒飲みますから」
「余計に」
「私も思うのよ」
先輩はここでも自分のことを踏まえて五人に話した。
「お酒を飲んでも女の子はね」
「乱れない、ですね」
「その方がいいですね」
「人を噛んでも駄目よ」
今度はいささか非常識なことだった。
「絶対にね」
「まさか先輩」
「酔って」
「いやあ、クラスメイトの手が胸に伸びるって思ってね」
それでだったというのだ。
「がぶっとやったのよ」
「がぶっ、ですか」
「そうしちゃったんですか」
「相手の子びっくりしてたわ」
「それはまあ当然ですね」
「普通そうなりますよ」
五人はその過去を笑って話す先輩に呆れている顔で話した。
「そりゃ彼氏いなくても」
「仕方ないですよ」
「潤ちゃんも似た様なことがあってね」
こちらの先輩もだというのだ。
「やっぱり噛んじゃったのよ」
「噛み癖は駄目ですよ」
「それもうブラッシーじゃないですか」
「それかブランカかザンギエフか」
「どっちにしても問題外ですよ」
「ええ、やっぱりよくないわね」
笑いながらも後悔している言葉だった、反省しているらしいことはこの言葉に出てはいた。
「噛むことは」
「ですよ、気をつけて下さい」
「流石にまずいですから」
同じ口からするものでもキスと噛みつきは違う、それこそ天国と地獄程だ。どちらが天国でどちらが地獄かは言うまでもないだろう。
「気をつけて下さいよ、心配になってきました」
「宇野先輩も高見先輩もお顔はいいんですから」
「スタイルもいいですし性格も悪くないし」
「普通にやってればもてるんですから」
「そこは」
「そうよね、そういえばうちの部活彼氏持ち殆どいないけれど」
自分も含めての言葉である、これもまた。
「やっぱり皆が皆酒癖悪いからね」
「ですね、お酒ですね」
「何といっても」
「ええ、そこは何とかしないとね」
しみじみとして言う先輩だった、そして。
六人で風呂を出た、五人はここであらためて先輩のスタイルを見た。小柄だが色が白くしかも胸が確かに大きい。
それでだ、五人はまた言うのだった。
「やっぱり先輩もてますから」
「お顔もいいですし」
「普通にされて下さいよ」
「そうしたら彼氏なんてそれこそ」
「向こうから寄ってきますよ」
「そうよね、やっぱり酒癖は注意しないとね」
先輩自身も言う、下着を着けて服を着てだ。
「心から思うわ」
「ですよ、じゃあ」
「私達はここで」
服を着て風呂場を出れば、というのだ。脱衣場もかなり広い。
「お風呂有り難うございました」
「また明日ですね」
「ええ、またね」
明日だとだ、先輩も五人に答えた。
「また頑張ろうね」
「ですね、また明日」
「これで」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ