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真・女神転生〜レディアントマイソロジー〜世界転生物語
第0話

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〜???〜


カタカタカタカタ……


「…………」


パソコンのキーボードを叩きながら、紫のスーツを着た老人が二つの大きなカプセルの中を覗きこんでいた。

カプセルの中にはそれぞれ、一人の女性と一人の男性が入っていた。


「……よし、もうすぐだぞ。」


老人がそう呟いた。

その視線は、愛しい人を見るかのような視線であった。

それもその筈、女性の方は彼の恋人で、男性の方は自分の息子だったのだ。


「……本来ならば、こんな事は絶対のタブーなのだが……私はもう一度、幸せになりたい。……幸せな生活を送りたいのだ!!」


彼が行おうとしているのは『クローン人間の複製』……人が人を作り出す神の所業を行おうとしていたのだ。

しかし、彼の意志に揺らぎは無かった。

そんな彼が一体何故、そんな事をしているかと言うと……

…………………………

……………………

………………

…………

……彼は、一人だったのだ。

それも、『たった一人の人類』……『人類最後の生き残り』だったのだ。

彼の世界は元々……文化も発展しており、近未来的な雰囲気をかもし出していたのだが……突然、異形の魔物の大群が現れて、街は壊され、草木は焼け野原とされ、人々は皆殺しにされたのだ。

……ただ、彼一人だけを残して……

彼も魔物が現れる前は、女性と共に幸せな生活を送っていたのだ。

その愛しい人も殺されたのだ……女性のお腹には、彼の子供を宿して……

そう……それが『カプセルの男性』の正体である。

老人は医学にも精通をしていた為、子供の遺伝子を採取して、それを基にクローン人間を造り上げたのだ。

つまり、男性は息子は息子でも、彼によって造られた『人造人間』なのである。


「このプロジェクトが、うまくいけば……未来を変えることが出来るのだ……頼んだぞ……」

カチッ

そう言って、老人はキーボードのエンターキーを押すと、男性のカプセルの内部が光り出した。

光が収まった頃には、カプセルの中には男性の姿は無かった。


「……これで、未来を変えられる……また共に暮らせるぞ…………『カノンノ』」

そう言って老人は、女性……『カノンノ』の入ったカプセルに触れた。



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