マクロスF
0688話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「まさかこんな場所で着替える羽目になるとは思わなかったな」
シェリルのコンサート会場近くにある公園にて、EX-ギアに着替えながらそう呟く。
だが、すぐに俺の横にいたミハエルからの突っ込みが入る。
「いや、話を逸らすなよ。お前とシェリルがどんな関係なのかをキリキリ喋って貰おうか」
「別にシェリルとは面識無いぞ?」
一応俺が面識があるのはシェリーだし……と言う事にしておこう。でないと、どんな面倒臭い出来事になるか分からないしな。
だが、迫って来るミハエルに、黒人の男の方もそんなので誤魔化される筈は無く、EX-ギアに着替えもせずに俺の方へと迫って来る。
「大体、もし俺がシェリルと面識があったらどうするつもりなんだ?」
「そんなのは決まっているだろう。勿論シェリルを紹介して貰うに決まっている」
当然とばかりにそう告げる黒人の男の言葉にミハエルが頷き、ルカも興味深そうな視線をこっちへと送ってくる。
そんな中、アルトは興味無いとばかりに溜息を吐き、持っていた雑誌へと目を通していた。
「ほら、とにかく着替えて準備だろ。このまま遅刻なんかしたりしたら、それこそシェリルに対する印象が悪くなるぞ」
そう告げた途端、急いでEX-ギアを身につけていく3人。この辺、現金だよな。
そんな風に思いつつ、俺もまたEX-ギアの入っているケースを展開して身につけていく。
だが、そんな中でアルトだけは相変わらず雑誌へと視線を向けているのみで、EX-ギアを身につける様子は無い。
「アルト、どうしたんだ?」
「ん? ああ、いや、ちょっとな」
俺の問い掛けに生返事をしつつ、それでも雑誌から視線を逸らす事無く熱心に記事へと目を通している。
何だ? 何か面白い記事でも載っているのか?
そんな風に思いつつアルトの後ろから記事を覗き込んでみると、そこに載っていたのは1人の男の写真だった。厳めしい顔付きをしており、ポニーテール……というよりはチョンマゲと表現した方が正しいような髪型の初老の男だ。
「誰だ、これ?」
「え? うわぁっ! な、何でもねえよ。アクセルには関係無い!」
叫び、慌てたように雑誌のページを閉じるアルト。
雑誌が閉じられる一瞬前に、早乙女云々と書かれていたのが見えたのを考えると、恐らくアルトの祖父か父親といったところだろう。さっきルカが言った歌舞伎の特集でもしてたのか?
「おいアルト、早く着替えろよ。アクセルも、そろそろ行くぞ!」
既に着替え終え、EX-ギアの調子を見ていたミハエルの声が響く。
その声を聞いて我に返ったのだろう。慌ててEX-ギアを身につけていくアルトだったが、時間も押しているという事で、取りあえず俺達は先にコンサート会場へと戻る事になる。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ