第一部・トラブルを解決する幼女
お城にお邪魔します
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王妃様が消え、私達がお化けを倒す決意を固めたとき。
ふと、ビアンお兄さんが呟きました。
「……あ……忘れてた……。」
「どうかしましたか、ビアンお兄さん?」
「リーア、さっきも言ったけど、残念なお知らせがある。」
「何でしょう。」
「正門が開かない。」
「……あ……。」
忘れてた……。
「さあどうするリーア。」
「……実力行使?」
「No」
「無駄に発音いいですね」
「習ったからな。で、どうする。」
どうすると言われましても。
あ、向こうに樽がある。
ロープとか入ってないでしょうか…………あ!
「ビアンお兄さん!ありました!!」
「主語をつけようぜ」
「梯子が向こうににありました!」
「マジか!」
手を差し出されたので握ってみたら、物凄い勢いで駆け出されました。
ちょっと止まって頂けないでしょうかビアンお兄さん。
とか考えていたら、ビアンお兄さんの速度が急に下がりました。
「リーア、梯子が滅茶苦茶高いんだが。」
「そんなにですか?……わあ、凄い……」
これは下手したら天まで届くんじゃないでしょうか。
しかも途中に一切踊り場的なものが見えないのですが。
「あー……じゃ、先に行く。」
「え、大丈夫ですか?もしかしたら他にも扉あるかもしれないですし……。」
「だいじょーぶだいじょーぶ。最悪落ちたらお前が受け止めてくれよ。」
「自信ないですが全力を尽くします。」
「ありがと。行って来まーす。」
「頑張ってくださいね。」
ビアンお兄さんはあっという間に見えなくなりました。
そろそろ上っていいかな……と考えていると、上から布が落ちてきました。
えーと……これは?
「おーい、それ手に巻いとけー」
あ、ビアンお兄さんの声が聞こえました。
よくここまで届く声出せましたね。
それで、手に巻いとけと言われたのですが、何故でしょう。
そんな疑問も、大人しく手に布を巻いて梯子を上り始めた途端に消え失せました。
「……痛い……。」
何故か梯子がとげとげしいです。
物理的な意味でとげとげしいです。
ビアンお兄さんありがとう。
と、ビアンお兄さんに感謝を述べていると、意外とすぐに上までたどり着きました。
「お、リーア。大丈夫だったか?」
「大丈夫です。ビアンお兄さんは?」
「平気平気。じゃ、お化け退治行くか。」
「はい!」
そう元気に返事をして、ビアンお兄さんの手を握ると。
「い、ちょ、やめろ!」
振り払われました。
地味にショックです。
「…………あ、その……ごめん、ほら、手。」
謝られました。
うん、まあ何か事情があったのでしょう。
そうとでも思い込まないとやり切れません。
向こうから手を差
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