第一部・トラブルを解決する幼女
お城にお邪魔します
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
し出していただけたので、手を握ります。
……訂正します、握ろうとしました。
「え、大丈夫ですかビアンお兄さん!?」
「あー、何のことですかー。早く手握れ、行くぞ。」
ビアンお兄さんの手は、見事に傷だらけでした。
そうか、あのとげとげ梯子か。
「話題逸らさないでください。今魔法かけますのでじっとしてて下さいね。」
「ここで大事な魔法使っちゃダメだろ。さ、行くぞ。」
ビアンお兄さんはそう言って笑いました。
だがしかし、これは笑い事ではございません。
「……分かりました。痛くなったら言ってくださいね?」
「okok。入るぞー。」
「アロワンス・ミティゲイト・フィル!ホイミ!!」
「え!?」
私はそれくらいでは引き下がりません。
ビアンお兄さんが顔を背けた瞬間、ホイミをかけてやりました。
かなり驚いた顔をされています。
「えー、とだな。リーア、俺の話聞いてたか?」
「傷は平気だから魔法かけなくていいので早く行こう、ですよね。」
「パーフェクト。うん、じゃあ何でホイミかけた。」
「心配だったからです。」
「え、あ、ありがとう。」
「いえいえ。」
お礼言われました。
個人的に気分がいいです。
「……じゃ、行くか?」
「行きましょう。」
今度こそ、手を握って私達はお城の裏口?に入りました。
と。
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
ガシャーン!!と、物凄い音を立てて後ろで鉄格子が閉まりました。
「……リーア、閉じ込められたぞ。」
「そうですね。」
「……進むか。」
「……そうですね。」
そうですねしか言えません。
呆然とその場に突っ立っている私の手をビアンお兄さんが必死になって引いてくれてます。
歩こうとしてはいるのですが、何故か歩けません。
いや、茫然自失とかではなくて……こう、何かに足を拘束されてるような……。
「え!?ちょ、リーア待て!止まれ!!」
ビアンお兄さんの手が離れました。
……え、離れた?
そしてビアンお兄さんが「止まれ」と言っているのですが、私何もしてませんよ。
しいて言うなら急速に意識が薄れていってますが。
……何か眠くなってきました。まあこんな夜中に出歩いているのだから当然かもしれません。
……あれ、そもそもここどこだっけ。
…………そうだ、レヌール城だ。
お化け退治に、来たんだ……。
じゃあ、寝ちゃダメかなあ……。
……でも、少しくらいなら、いいんじゃないでしょうか。
ビアンお兄さん、私、ちょっと寝ます。
……あれ、声が出ない。
…………ん?
落ち着こう、これ……危ない!
そうだ、王妃様が城は魔物がいっぱいで危ないって言ってた!
ダメだダメだ、これ寝たら生命の危機に瀕す!
ビ、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ