暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos31-B砕け得ぬ闇の使徒〜MATERIAL〜
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すぐさま前面にシールドを展開して防御。デバイス(アイゼン)無しでの魔法発動なんざ久しぶり過ぎて上手くいくかどうかは判んなかったけど、上手くいって良かった。シールドを回り込むように移動して、「おらぁぁぁ!」素手で残滓の顔面を殴る。

「ぶはっ!?」

「悪ぃな」

「おぐっ!?」

よろけたところで腹に膝蹴りを入れる。徒手格闘なんて、オーディンから格闘戦、関節技とかを学んだ時以来だ。でもやっぱ慣れねぇな、素手で殴るってさ。顔と腹を押さえながら地面へと落下した残滓を見送って、あたしは茂みの中へと降り立つ。“アイゼン”はすぐに見つけることが出来た。

「ぐふっ、げほっ、ごほっ、く、紅の・・・鉄騎・・・!」

「義のマテリアル。終いだ」

「ま、だ・・・まだ、まだ・・・なのでありますよ・・・!」

残滓は“タラスクス”を正眼で構え直して、引き金を引いてカートリッジをロードする。鼻血を流し、口端からも血を流してる残滓。アリサの外見と同じだから胸が痛んでしゃあねぇよ。でも、お前は違う、アリサとは違うんだ。だから・・・。

「アイゼン」

≪Explosion. Gigant form≫

ハンマーヘッドを巨大化させるギガントフォルムへと変形させる。

「タラスクス! アラム、発動・・・でありますぅぅーーーーッッ!!」

ものすげぇ火炎を“タラスクス”の刃に噴き上がらせる残滓。タイラントフレア、か。この状況だ。あの魔法が今のアイツにとっての最強の一撃なんだろうな。

「ギガント・・・!」

「うぁぁぁぁあああああああああああッッ!」

一足飛びで突進して来た残滓の一撃に合わせて「ハンマァァァァーーーーッ!」“アイゼン”を振り降ろす。衝突。馬鹿でかい轟音が響き渡る。柄から伝わって来る衝撃、残滓から放たれて来る一生懸命な戦意。こんな形でなきゃ、友達になれたかもしんねぇのにな。ホント「残念でしゃあねぇよ、義のマテリアル」お前を斃すのが、さ・・・。

「うっっっらぁぁぁぁあああああああああッ!!」

「っ!?」

拮抗は崩れた。ガシャァァァンと金属が砕ける音と一緒にあたしの一撃が残滓を叩き潰した。“アイゼン”の一撃は残滓を打ち、地面を大きく穿った。周囲に飛び散るのは地面の破片と、タラスクス”の破片。

「・・・・あ、う、ぅぅ・・・わた、し、の・・・負け、でありますな・・・うっ、ぅぅ・・・」

ヘッドの下で潰れてる残滓がそう漏らしたから“アイゼン”を元のハンマーフォルムへと戻す。力なく横たわる残滓があたしに弱々しいながらも真っ直ぐな目を向けてきた。

「全、りょ・・くで・・・戦い・・・負けた、ので・・・あります、から・・・後悔は、ないの、で・・・あります・・・。ただ、私・・・のちか・・らで
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