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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos31-B砕け得ぬ闇の使徒〜MATERIAL〜
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・・・」

右肩から左脇腹にかけてあたしに斬られた傷を両手で押さえながらも「許さない・・・、あなた・・・!」まだ敵意を向けてくる。しかも「エレシュキガル・・・!」両腕をあたしの方へと翳して魔法を放とうとしてきた。けど、両手を傷口から話した所為か霧散のスピードが上がった。

「っ!・・・ふ、ふふ、ふふふ。・・・王への道行、ここまで・・ということですのね・・・。最悪、最低、ですわ・・・」

魔法発動を中断した偽者はついに諦めたようで力なく笑い声を上げ始めた。

「他のマテリアルが・・・王になるのを黙って見過ごす、なんて・・・。でもまぁ、闇の書の復活が叶えば、私もいずれ再生されますわ・・・。ふふ。今はそれで良しとしましょう。ですが、その時こそ、・・・あなたをこの手で・・・」

「他のマテリアル!? あんたのようにただの偽者じゃなくて特別な残滓が居るっていうわけ!?」

「うふふ・・・。さぁどうでしょうね・・・。ふふ、うふふ、あはは、あはははははははは!!」

高笑いを上げながらすずかの偽者――“律”のマテリアルは崩れ消えていった。完全に消滅したのを確認してから近くのビルの屋上へと降り立つ。とにかく「報告しとかなきゃ」独自の人格を持ってる特別な残滓、マテリアルが存在しているって。

†††Sideアリサ⇒ヴィータ†††

シャルからの連絡を貰って本局から海鳴市に戻って来たあたし達は、リインフォースから海鳴市で起きてる異変の説明を受けた。簡潔に言えばナハトヴァールが復活しようとしてる。
あたし達が粉々に砕いた“闇の書”の闇――ナハトヴァールの残滓が蒐集した魔導師たちの記憶を基にして復活しようとしているんじゃねぇか、って。それを阻止するために、あたしたち八神家も散開して海鳴の街を、はやての生まれ育った街のあちこちを飛び回ってる。

「――なぁ。ホントに、お前の言う通り・・あたしらは・・・救われたのか・・・?」

「ああ。救われたよ。闇の書は夜天の魔導書っつう名前を取り戻して、あたしら書を護る騎士は、すっげぇ優しい主を、その生涯をかけて守る騎士になるっていう最後の役目を見つけたんだ」

「そう、か・・・うん、未来のあたしがそう言うんだから、そうなんだよな・・・、良かった・・・」

“アイゼン”を肩に担いで、たった今ブチのめしたばかりのあたしの偽者の消滅を見送る。おんなじデバイスに魔法、思考。あたしとの違いは、オーディンと出会う前、ものすげぇ荒れてる頃のあたしだったってことだ。何もかもが気に食わず、仲間たちに噛み付いてばかりだった、精神的にクソ生意気なガキだった頃の・・・。

「チッ。嫌なことを思い出しちまったな」

胸の奥に渦巻く昏い感情に嫌気を感じていたところに『ヴィータ。そっちは大丈夫か?』はやてからの通信
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