第八話:真面目な先生?
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シが入って騒いでるだけです、気にしないで下さい」とにこやかな笑顔でそう告げた。
「カ、カシワクチブトゾウムシ?それはそれで何だか凄く危険な気がするが」
「大丈夫です、こいつならハエが入ろうがゴキブリが入ろうが平気ですから」
俺がそう言うと、教師は若干引っかかったような表情をしながらも納得してくれたようで「そ、そうか……」と言いながら俺達から視線を外し、教卓へと移動した。 背後ではようやく目の痛みから立ち直った京介が恨みがましそうな目で俺を睨んでいたが、自業自得だ。
「ま、まぁまぁ二人とも……もうホームルーム始まるよ?」
「畜生……やっぱり鬼畜なドS魔王じゃねえか」
「うっせえバカ、メガネ壊されなかっただけありがたいと思え」
そう言って京介にメガネを返すと、そのまま180°椅子を回転させてくるりと教卓へと向き直る。 視線の先では教師が授業用の大型マジックボードに文字を打ち込んでおり、それを書き終えるなりこちらへ振り向いて口を開いた。
「まぁ、彼らの間で何があったかは知らないが……改めておはよう。 皆の担任になる出雲だ、下の名前は伊吹。 これから一年色々な事があるだろうが、どうかよろしく頼む」
そう言ってマジックボードに映し出された自らの名前を指差す教師……出雲先生の言葉遣いにはどこか凜としたものが感じられる、よく言えば真面目、悪く言えば 堅いイメージと言った所だろうか。 周囲の生徒達もその短い自己紹介の中で出雲先生の性格を感じ取ったようで、真面目なものはそれに安堵するか、もしくはそれで当たり前だと言う反応を示し、逆にそうでもないものはどこか不安げだ。
出雲先生はそんな生徒達をひとしきり見渡すと、ぽりぽりと頬をかいて話を続けた。
「まぁ、何だ……そう緊張しなくても、私は皆が思う程厳格な人間じゃないさ。 皆が楽しく学校生活を送って行けるよう努めてくれる限りは、私も皆によくしようと思っている」
口ぶりを見るに、恐らくこのような生徒の反応には慣れっこなのだろう。 出雲先生は少しだけ表情を緩めてそう告げると、こほんと咳払いをして大型マジックボードの操作を行った。 先程まで映っていた出雲先生の名前が一瞬にして消え、代わりに列挙されたのは男女様々な無数の名前……このクラス全員の名簿表だ。
「今から一学期初めの出席チェックに入るが……私の学級では皆の親睦を深める為に、ここで皆に自己紹介をしてもらう事にしている。 皆、名前を呼ばれたら各自席を立って自己紹介をするように」
自己紹介。
その言葉にクラス中から不満の声が上がったが、その声色は本当に心の底から不満に思っているものや、ただ単におふざけ半分でブーブー言っているもの等様々だ。 出雲先生はそんな生
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