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美しき異形達
第十五話 白と黒の姉妹その十四
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 少女はバイクから降りヘルメットを脱いだ、そこから出て来たのは。
 黒蘭だった、黒蘭は薊と話した時と同じクールな声で怪人達に言った。
「私の相手は誰かしら」
「俺が空いているからな」
 鯰の怪人が黒蘭の言葉に応えた。
「相手をしよう」
「わかったわ。それではね」
「おい、あんたやっぱりだったんだな」
 薊はその黒蘭に顔を向けて言った。
「力持ってたんだな」
「そうよ、貴女と同じよ」
「あたしと同じってことは」
「貴女達のことは知っていたわ」
 薊の言葉を先回りする感じでの言葉だった。
「今六人いるわね」
「おいおい、色々知ってるみたいだな」
「それ程でもないけれどね」
「詳しい話を聞きたくなったけれどな」
 それでもだった、薊は黒蘭と話しながら己の前にいるピラニアの怪人を見た。そのうえで怪人に対しても言った。
「それは後だな」
「そうね、今はね」
「闘わないとな」
「お互いにね」
 黒蘭もこう言葉を返した。
「そうなるわね」
「じゃあ後でな」
「お互いの闘いの後で」
「ゆっくり話したいけれどいいか?」
「貴女が生き残っていればね」
 その時は、というのだ。
「話せることを話すわ」
「わかったぜ、けれどあたしが生きていればか」
 薊は黒蘭のこの言葉に対しても言った。
「何かあたしが負けるみたいに言うね」
「では勝てるのかしら」
「自信があるって言えばどうだよ」
「その自信が確かかどうか見せてもらうわ」
 そうさせてもらうというのだ。
「それでいいかしら」
「わかったぜ、それじゃあな」
 薊もそれでよしとした、そしてだった。
 二人はそれぞれの怪人と対峙した、薊はピラニアの怪人に対して言った。
「じゃあ勝たせてもらうぜ」
「闘いの再開だね」
 怪人はその薊に落ち着いた声で返した。
「今から」
「ああ、やろうか」
「いいよ、ではね」
 怪人は再び鱗を出してきた、それも数枚だ。
「命を貰うよ」
「それはこっちの台詞だからな」
 薊も再び構えを取りつつ言葉を返す。
「見せてやるよ、あたしの炎」
「是非ね」
 こう話して闘いを再開する二人だった、そして。
 黒蘭もだ、己の相手と正対していた。そのうえで怪人に言うのだった。
「では今から」
「俺に倒されてくれるか」
「そうね、その逆になるわね」
 これが黒蘭の返事だった。
「貴方がね」
「口は達者だな」
「私は口下手よ」
 黒蘭は怪人の今の言葉は否定した。
「そして嘘も言わないわ」
「つまりは」
「ええ、貴方を倒すということよ」
 こう告げてだ、そしてだった。
 黒蘭もまた戦いに入る、彼女と薊はそれぞれ別れて怪人達と闘うのだった。


第十五話   完


          
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