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魔法科高校の神童生
Episode28:出発と歯車
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々の行為で既に息はしていない。

(これは、女子が出てこなくて正解だったかな)

スプラッタすぎる光景に、現場処理を担当している男子の技術スタッフでさえ顔色が優れていない。
それだけ、惨い死に様だった。

(…恐らく、この男は魔法師で、俺が感知した微弱な魔法は自分でやったのだろう……つまり、自爆。どこの組織かは知らないけど、酷いことをするものだ)

残虐にして非道。そういった組織は大体がそれだが、一つ、過剰なまでに残酷な組織に心当たりがあった。

(確証はないけど、これをやらせたのは恐らく無頭竜(No Head Dragon)…)

姉さんからの連絡で、無頭竜の動きが九校戦に合わせて急激に活発化していることは事前に知っていた。もし奴らが九校戦、または魔法師を狙っているのだとしたら、この車の男に命令したのが奴らだということにも頷ける。

無頭竜(No Head Dragon)
俺は、以前に二人の無頭竜の魔法師を殺害している。
魔法協会の本部を襲った大罪人、五十嵐修也と、無頭竜執行人であるラファエル・ロドリゲス。そしてその際に五十嵐修也と約束をしたのだ。
彼の仇敵である無頭竜を潰すと。

(五十嵐…アンタの妹さんの仇は、俺がキッチリ執る)

ギュッと握り締めた拳の中で、痛い程爪が食い込んでいた。



☆★☆★


事故の後、警察からの事情聴取や現場清掃の手伝いなどで大幅に時間を取られたものの、なんとかバスは昼過ぎには宿舎に到着することができた。
ちなみに、九校戦のメンバーの泊まる宿は軍の施設を貸し切って利用している。
故に、ホテルといえど専従のポーターやドアマンなどはおらず、荷物の積み下ろしは各人たちでやることになっている。

ささっと荷物を下ろして、ホテルの中へ入っていく青髪の一年生と、荷物を押す一年生技術スタッフ、その隣を笑顔でついていく女子生徒を見て、二年生生徒会副会長ーー服部は沈んだ面持ちで頭を振った。

「どうした、服部。随分不景気な(ツラ)だな」

見るからに意気消沈している彼に、背後から気さくな声がかけられた。

「桐原…いや、そんなことは無いさ」

振り返った服部は、そこから予想した通りの友人の姿を認め、反射的に否定の言葉を返していた。

「そうかぁ? 少なくとも、好調って顔はしてないぜ」

基本的にこの友人はそういった人の感情に敏感だ。自覚があるのだろう、服部はそれ以上誤魔化すことはせず、自虐的な笑みを浮かべた。

「チョッと…自信をなくしてな」
「おいおい、明後日から競技だぜ。こんな時に自信喪失かよ?」

今回の九校戦で、桐原は二日目のクラウド・ボールにのみ出場する。だが、服部は一日目、三日目のバトル・ボードと九日目、十日目のモノリ
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