第一幕その一
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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第一幕 坊ちゃん
ドリトル先生の研究室にです、同じ大学で医学部の教授を務めている増岡教授が来てでした。先生にお仕事のお話をしてきました。
「学会ですか」
「はい、そうです」
痩せてすらりとした外見の増岡教授がです、先生にお話します。
「この度先生にもです」
「学会に出て」
「論文を発表して頂きたいのです」
「左様ですか」
「先日論文を書かれましたね」
「はい」
先生もお医者さんであり大学の先生です。論文も書いています。確かに最近書いていませんでしたがそれでもです。
先生も論文を書きます、先日実際にご自身の専門分野について書いたのです。そして教授はその論文をというのです。
「それを発表して欲しいのです」
「そうですか、それでは」
「はい、是非です」
教授は微笑んで先生に言います。二人で研究室の中にある席に向かい合って座って紅茶とティーセットを楽しみながら。
「そうして下さい」
「では今から」
「学会に出る準備をお願いします」
「出張ですね」
「そうなります」
まさにというのです。
「宜しくお願いしますね」
「わかりました、それで出張先は」
「愛媛です」
教授は紅茶を飲みつつ先生に微笑んで答えました。
「愛媛の松山です」
「松山ですか」
「松山のことはご存知でしょうか」
「坊ちゃんの舞台ですよね」
先生は微笑んで教授にこの小説の名前を出しました。
「そうですよね」
「坊ちゃんはもう読まれたのでしょうか」
「はい」
その通りとです、先生は教授に笑顔で答えました。
「先日」
「先生は文学も読まれていますか」
「日本語をより知ろうと思いまして」
「素晴らしい、それでは話が早い」
「あの作品の舞台ですよね」
「はい、とてもいいところですよ」
教授は先生に笑顔でこうもお話しました。
「では是非」
「松山にですね」
「学会で論文を発表されると共に」
それと一緒に、というのです。
「松山を楽しんで下さい」
「わかりました、それでは」
「温泉もあります」
「温泉、お風呂ですね」
「そちらも楽しんで下さい」
「それとですね」
先生からもです、教授にお話します。
「坊ちゃんは蕎麦を食べていましたね」
「天ぷらそばですね」
「あれも食べたいですね」
「それと蜜柑も」
「あれもありますか」
「松山はとてもいい場所ですので」
それでだというのです。
「先生も楽しんで下さい」
「わかりました、ではそうしたことも楽しみにして」
「いらして下さい、あと」
「あと?」
「今回もでしょうか」
教授は先生のその丸いお顔を見ながら先生に尋ねました。
「先
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