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イデアの魔王
第六話:『イデア写本』
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「先に言っておいてやるが、大ケガしようが責任は取らねーぞ」
 「ご親切どうも、そっくりそのままお返しするよ」 

 そう言って俺は自らの『イデア写本』と意識を同一化させた。

 今まで目に映っていた世界が、そこにある全て(・・・・・・・)がぱりんと音を立てて砕けて行く。
 代わりに移るのは、魔術師の間で『エイドス』と呼ばれるそこにあったかも(・・・・・・・・)知れない全て(・・・・・・)

 無限に広がる虚数の羅列を眺めながら――俺は、静かに『写本』の封を解いた。  

 『――イデア写本、封緘解放』 
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